2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246147
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉浦 裕 東京工業大学, ソリューション研究機構, 教授 (00108185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 千秋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80114867)
金子 宏 東京工業大学, ソリューション研究機構, 特任准教授 (90323774)
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Keywords | 新エネルギー / 化学工学 / 国際協力 / セラミックス / 格子欠陥 / 集光太陽熱 / 電気化学測定 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
(1)研究代表者が開発してきた東工大式ビームダウン集光システムの光学的エネルギー損失を低減するために、損失の可視化手法による新規ヘリオスタットフィールド配置計算法を考案し、最適システム設計を検討した。高効率のソーラーハイブリッド燃料生産システムの実用化に向けて、設備規模の増大に伴うビームダウン集光システムのコサイン損失を評価し、より損失の小さい新規の直交線形集光システムの設計を行った。 (2)「高酸素分圧酸素放出機能セリア系素材設計手法」に基づき、セリアに他金属イオンを適当量ドープした固溶体を調製して、酸素放出反応時の重量変化を高感度の熱天秤を用いて観察した。セリア-ジルコニア固溶体において、Ce^<4+>のCe^<3+>への還元時の酸素放出に伴う試料重量減少は二次反応に従うことを見出した。この結果より酸素放出反応の律速段階は、結晶格子内の酸素イオン同士の衝突反応による酸素分子の形成であると考察された。さらに急速加熱による重量減少の結果から、Frenkel欠陥構造が非平衡状態として形成されて酸素イオン同士の衝突が起こり易くなると推察された。この結果は電気化学測定におけるインピーダンス値の温度変化と対応していた。 (3)オーストラリアCSIRO太陽エネルギーセンターにおいてタワー型太陽集光設備を使用したロータリー式太陽化学反応炉のフィールド試験を実施した。タワー上部に反応炉を配置して20kWの太陽エネルギー入射を可能とし、反応性セラミックスは新規合成したセリア-ジルコニア-鉄酸化物を塗布した。太陽光照射口の手前にはCPC(二次集光器)を設置し、集光設備からの入射光集光度を向上させた。CPCへの入射エネルギー量は17.4kW、最大集光度は650kW/m^2(約750倍集光)と計測された。その結果反応性セラミックスを約1500℃まで昇温することに成功し、還元反応を進行させることができた。酸素濃度は1200℃に達した後から増大したが、酸素放出反応エンタルピーを1200kJ/mol-O_2とし、熱損失を考慮して評価した入射エネルギーの変換効率は0.5%であった。
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Research Products
(40 results)