2011 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海海洋浄化副生バイオマスのエネルギー有効利用技術の開発
Project/Area Number |
21246148
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松村 幸彦 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80251370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 尚道 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30034383)
中島田 豊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (10281164)
金指 正言 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10467764)
美濃輪 智朗 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 研究チーム長 (30358113)
三島 康史 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 研究員 (90358086)
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Keywords | 自然エネルギーの利用 / バイオマスエネルギー / 海洋バイオマス / エタノール発酵 / 膜分離 / 水熱前処理 / 超臨界水ガス化 |
Research Abstract |
資源確保の観点からも、地球温暖化対策の観点からも海洋バイオマスエネルギーの有効利用技術基盤の確立は重要である。既存技術を用いた海洋バイオマスの単純利用は、水分、塩分、経済性のために困難である。ここでは、経済性を確保するために環境浄化に伴って発生する副生バイオマスを用い、水分と塩分を効率よく除去し、除去しきれない水分と塩分に耐陛のある技術を用いて効率よくエネルギー変換・利用するための技術開発を、瀬戸内海を想定対象として実施する。 海洋バイオマスの利用にあたって重要なのは、含水率の低下と塩分の除去、そして経済性の向上である。また、バイオマスの利用にあたっては、生産および回収と変換の段階にわけて議論される。さらに、変換の段階は前処理と変換そのもの、そして後処理のそれぞれが適切に行われる必要がある。 本研究では、この観点から、海藻を用いた海洋浄化、水熱前処理と水分および塩分の膜分離、耐塩性エタノール発酵、耐塩性超臨界水ガス化を用いたシステムを構築し、その実現のために求められる知見を実験的に得るとともに、システムの評価を実施した。 海洋バイオマスの生産ならびに回収については、三島が大阪湾湾奥部の環境変動に準じた条件において、疑似現場養殖実験を行い、成長効率および環境修復能力を確認した。また、実海域において養殖を行う際の、植え付けおよび回収方法を検討した。工場排水(淡水)を海水に混合すれば、水処理を行う植物として非常に有望である事が明らかとなった。吉田は水熱前処理によって試料がスラリー状となることを確認した。また、西尾と中島田は、アルギン酸を単一炭素源としてエタノールを生成する菌叢を得た。 松村は臨界水ガス化を行い、塩の添加が灰応特性に及ぼす影響を明らかとし、これらの結果を踏まえて美濃輪が、システム設計を行った。エネルギー生産のみを目指した場合には、経済的なメリットは少ないが、システムを構築することは可能と考えられる。
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Research Products
(12 results)