2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21248028
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
生源寺 眞一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40196580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸長 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10184706)
山路 永司 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
柏 雅之 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40204383)
能美 誠 鳥取大学, 農学部, 教授 (00202250)
星野 敏 京都大学, 農学研究科, 教授 (60192738)
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Keywords | 農業経済学 / 環境 / 国土整備 / 環境調和型農林水産 / 環境政策 |
Research Abstract |
研究目的で示した3つの研究課題に、経済・環境・コミュニティの3方向からアプローチした。 経済からのアプローチの具体的内容や得られた成果の一部は次の通りである。東日本大震災発生直後の食料供給の実態を調査した結果、緊急的な食料供給ルートを確立するためには常日頃からの食農連携の取り組みが有効であることが明らかになった。農業の生産性に影響する要因を計量経済分析手法により実証し、地域格差の動向を解明するためのデータベースを構築した。6次産業化政策について、農業・食品産業の地域別生産額の推移から検討した結果、食品産業は関東地域へ顕著に集中化してきており、6次産業化の重要性と同時にその困難の大きさも示していることが分かった。中山間地域での農業労働および畦畔管理についてのアンゲート調査結果から,小規模・非農家層が畦畔管理を担い,大規模経営の労働投下を縮減し,夏期労働制約を緩和していることが示された。 環境からのアプローチの具体的内容は、福島県会津若松市の複数の集落で実施した集団インタビュー調査の結果を比較し、地域アイデンティティとしての農村景観の認識構造と地域の自然特性・社会特性の関係を解明した。 コミュニティからのアプローチの具体的内容や得られた成果の一部は次の通りである。恵那市岩村地域のまちづくり実行組織を事例として、再編後の住民自治組織に温存された温存組織の実態とその背景にある自治体行政の課題を明らかにした。新潟県十日町を事例として、限界集落についての今後10年程度の農地管理に関するシナリオ分析を行った結果、条件の悪い場所ほど管理されない状況になる可能性が示唆された。津波により甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市において、高台移転に関わるヒアリング調査を行った結果、仮設住宅への分散入居が合意形成に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれのアプローチにおいて着実に成果があがっていることから鑑み、そう判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的に示した3つの研究課題に対して、経済・環境・コミュニティの3方向からのアプローチを継続するとともに、それぞれの成果を統合し、農業再建のための制度改革上の提言として取りまとめられるように、研究を推進していきたい。
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