2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン「2378-TCDD」を標的とする持続的広域的環境修復技術の創出
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21248037
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
片山 義博 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10214339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅哉 (独)森林総合研究所, きのこ微生物研究領域, 研究チーム長 (50353793)
大塚 裕一郎 (独)森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, 主任研究員 (80455261)
高橋 惇 高砂熱学工業(株), 総合研究所, 常務執行役員 (60501369)
梶田 真也 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 准教授 (40323753)
佐藤 かんな 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 助教 (40456603)
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Keywords | ダイオキシ / 環境浄化 / 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin / 2,7-dichlorodibenzo-p-dioxin / ダイオキシン蛍光アナログ / ダイオキシン還元解裂酵素 / 遺伝子ライブラリー / phytoremediation |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の3点に要約できる。 1.Geobacilus sp.UZO3株粗酵素よる塩素化ダイオキシ2,3,7,8-Tetrachlorobenzo-p-Dioxin(2,3,7,8-TCDD)分解を行ない、反応生成物中に3,4,4',5'-tetra chloro-2'-hydroxy dipheny lether(TCDE)をGC-MS分析により検出し、化学合成した標品のTCDEと完全に一致した。この結果から、Geobacillus sp.UZO3株粗酵素が、2,3,7,8-TCDDに対する還元開裂酵素活性を保持する事が明らかにされた。 2.Geobacillus sp.UZO3株のエーテル結合還元開裂に関与する酵素遺伝子のクローニングするために、昨年度ゲノムライブラリーより2,7-DCDD分解活性を指標として選抜した2種のクローンに重複する20kb中の8.4kbBamH1断片に機能領域が存在することが明らかとなった。この8.4kb断片のシークエンス解析を行った結果、19個のORF(ORF1~19)の存在が予測された。さらに解析を進めた結果、ORF6を含むEcoRV-NheI断片に2.7-DCDD、2,3,7,8-TCDDの分子内エーテル結合還元開裂活性がコードされていることが明らかになった。 3.Geobacillus sp.UZO3株は7日間の浄化で、フミン酸を添加した酸処理シルトの塩素化ダイオキシン類を50%、上清に抽出された塩素化ダイオキシン類を98%浄化した。20L級の実用化試験規模における7日間連続浄化で30%の塩素化ダイオキシン類の浄化成績を得た。実験室規模の26日間の浄化では90%以上の塩素化ダイオキシン類の浄化成績を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究成果として、2,3,7,8TCDDに対する2,3,7,8TCDDに対する、Geobacillus sp.UZO3株粗酵素Geobacillus sp.UZO3株粗酵素による新しい還元解裂機構を解明した事、さらに同酵素をコードする遺伝子クローニングに成功した事から、当初計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2,3,7,8TCDDに対する、Geobacillus sp.UZO3株の分解酵素遺伝子の特徴を明らかにし、大腸菌などでダイオキシン分解酵素の高生産を可能にする遺伝子高生産系を開発する。大腸菌等で生産された好熱性ダイオキシン分解酵素などを用いて、汚染土壌に対する分解浄化機能を評価するとともに、汚染土壌の浄化技術として開発する。クローニングされた遺伝子を植物の根系で発現させた持続的・広域的環境修復法を開発する。 問題点としては、クローニングされた遺伝子が特殊な膜酵素の一種である事から、大腸菌での高生産の実現には様々な検討が必要であり容易ではない。その解決が上記の計画推進に不可欠である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Develpoment of Highly Sensitive Assay for Enzyme-Mediated Reductive Degradation of Polychlarinated Dibenzo-p-dioxin2012
Author(s)
Y.Suzuki, M.Nakamura, Y.Otsuka, N.Suzuki, K.Ohyama, T.Kawakami, K.Sato, S.Kajita, S.Hishiyama, T.Fujii, A.Takahashi, Y.katayama
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Journal Title
Environmental Toxicology and Chemistry
Volume: 31
Pages: 1072-1075
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Enzymatic activity of cell free extract from Geobacillus sp.UZO 3 catalyzes reductive cleavage of diaryl etherbonds of 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin2011
Author(s)
Y.Suzuki, M.Nakamura, Y.Otsuka, T.Kawakami, K.Sato, S.Kajita, S.Hishiyama, Y.Okamura, A.Takahashi, Y.Katayama
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Journal Title
Organohalogen Compounds
Volume: 73
Pages: 1400-1403
Peer Reviewed
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[Presentation] Enzymatic Activity of Cell Free Extract from Geobacillus sp.UZO3 Catalyses Reductive Cleavage of Diaryl Ether Bonds of 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin2011
Author(s)
Y, Suzuki, M.Nakamura, Y.Otsuka, t.Kawakami, K.Sato, S.Kajita, S.Hishiyama, Y.Okamura, A.Takahashi, Y.Katayama
Organizer
31^<st> International Symposium on Haloganated Persistent Organic Pollutants
Place of Presentation
Brussels, Belgium
Year and Date
20110821-20110825
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