2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識に基づく難病治療薬のデザインと医薬化学研究
Project/Area Number |
21249007
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 洋平 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10565518)
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Keywords | プロテアーゼ / 分子認識 / プロテアーゼ阻害剤 / ドラッグデザイン / 基質遷移状態 / β-セクレターゼ / クリプタイド / クリックペプチド |
Research Abstract |
本研究では分子認識を基盤とした難病治療薬の開発を目的とし、基質遷移状態概念に基づいたプロテアーゼ阻害剤の創製、クリックペプチドを用いたアルツハイマー病の発症メカニズムの解析および治療薬創製への応用、さらにタンパク質構造に隠された新しい生理活性ペプチド、「クリプタイド」の同定とその情報伝達機構の解明、ならびにそれに基づいた新しい治療薬の創製研究をめざした。 特に、我々の開発したアスパラギン酸プロテアーゼにおける有用な阻害剤設計の方法論を,マラリア発症に重要な役割を果たすplasmepsin類,アルツハイマー病に関与しているアミロイドβペプチドを生成するβセクレターゼ(BACE1),成人T細胞白血病発症に重要なHTLV-1プロテアーゼに応用して,マラリア,アルツハイマー病,白血病のような難病克服を目指した分子認識に基づく治療薬のデザイン・合成と構造最適化・プロドラッグ等の医薬化学研究を行いその開発への指針を示した。 具体的にはX線結晶回折によるHIVプロテアーゼの構造解析により野生型及び変異酵素の特異性を解明し、次世代阻害剤デザインの足掛かりを得た。Plasmepsin阻害剤の赤血球中での抗マラリア作用を測定し、高活性な化合物を見出した。アルツハイマー病に関与しているアミロイドβペプチドを生成するβセクレターゼ(BACE1)阻害剤の開発研究においては膜透過性を考慮した設計により、高活性な低分子型阻害剤を見出している。アルツハイマー病の発症メカニズムの解析研究に有用なAβペプチドのクリックペプチドを用いたAβの凝集阻害剤のアッセイ系を開発した。クリプタイドが関与する生体情報伝達機構を明らかにするため、好中球活性化ペプチドmitocryptide-2の受容体分子の同定と細胞内情報伝達機構の解析を行ない、新しい知見が得られた。
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Research Products
(20 results)