2011 Fiscal Year Annual Research Report
容積賦活性アニオンチャネルの分子同定と細胞生死スイッチメカニズムの解明
Project/Area Number |
21249010
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 所長 (10025661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 貴浩 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 准教授 (40353437)
岡田 俊昭 生理学研究所, 細胞器官研究系, 特任准教授 (00373283)
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Keywords | 容積感受性アニオンチャネル / マキシアニオンチャネル / 酸感受性アニオンチャネル / 細胞容積調節 / アポトーシス / ネクローシス / 虚血性細胞死 / ATP放出 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞生死スイッチに関与する2種のアニオンチャネル―容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)とマキシアニオンチャネル(Maxi-Cl)―と、それらのレギュレータの分子同定を行うこと、そしてそれによって細胞死の誘導と救済の分子メカニズムの解明に道を拓くことにある。2011年度は、まず第1に、VSOR活性を負に制御するABCF2の結合蛋白質を検索して見出されたヌクレオリンが、VSOR分子とは異なることを明らかにした。第2に、ランダム遺伝子破壊レトロウイルス法から得られた候補遺伝子を調べ、AQP5などをその候補から排除した。その結果、VSOR及びMaxi-Clの候補としてリストされたそれぞれ72個及び96個の分子から、それぞれ3個及び13個の分子に候補を絞った。第3に、これまでVSORの候補として報告されたClC-3aや、我々が新たにクローニングしたClC-3dが外向整流性アニオンチャネル活性を示すが、VSORやMaxi-Clとは無関係の分子であることを明らかにした。第4に、Maxi-Clを高密度に発現した細胞のブレッブ膜から質量分析法によって得た15個の膜蛋白質を再構成して検討したところ、MDR2などを排除できたことによって、候補分子を7個にまで絞れた。第5に、VSORやMaxi-Clの発現差のある異種細胞間でマイクロアレイ解析を行って得た候補分子群に対してsiRNA法で検討し、Maxi-Cl候補からCx43など、VSOR候補からCLIC1などを排除し、VSORとMaxi-Clの候補をそれぞれ5個と8個の分子にまで絞った。厖大な検討を経て残ることになったこれらの候補分子を対象に、次年度研究において最終検討を行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Maxi-Clを高密度に発現するC127細胞ブレッブ膜からプロテオミクス的にMaxi-Cl候補分子を検索したところ、予想以上の多数の分子がリストされた。また、VSORやMaxi-Clの発現差のある異種細胞間でのマイクロアレイ解析を行って得た候補分子も多数のぼり、それらを1つ1つsiRNA法でテストするという厖大な実験が必要となり、時間が予想以上にかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
手間と時間を要する実験を行う必要があるが、これが王道であるので、地道に努力を重ねて行くより他ない。
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Research Products
(7 results)