2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己由来幹細胞とヒト人工染色体ベクターを用いた筋ジストロフィー遺伝子治療
Project/Area Number |
21249022
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
押村 光雄 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20111619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 充彦 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40325006)
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Keywords | ヒト人工染色体 / 遺伝子治療 / 筋ジストロフィー / 染色体工学 / 間葉系幹細胞 / mesoangioblast細胞 |
Research Abstract |
デュシャンヌ型筋ジストロフィー(DMD)はヒトX番染色体上に存在するDMD遺伝子の機能欠損により引き起こされる進行性筋萎縮症である。DMD遺伝子は全長2.4Mbにも及ぶ巨大な遺伝子で複雑な転写調節を受けていると考えられることから2.4Mbの巨大遺伝子を導入するベクターが存在しない。上記課題を克服するため、これまでに2.4MbのDMD遺伝子を搭載したHACベクター(DMD-HAC)を開発しており、本研究に用いた。本年度は昨年度に作製したDMD-HACベクターを導入したmdxマウス由来mesoangioblast細胞を用いた治療戦略の継続を昨年に引き続き行った。核移行LacZ遺伝子ならびにMyoD遺伝子を導入したmdx-mesoangioblast(DMD-HAC)細胞をmdx-ヌードマウスの静脈内に移植し、in vivoでの性能評価を行動解析などにより実施した。その結果、6ヶ月以上長期に上記細胞は生着し、さらに行動解析試験でmdxマウスに比較して優位に機能が回復していることが示唆され、mesoangioblast細胞とDMD-HACベクターを用いた治療戦略の有用性が示された。次にこれまでに作製したDMD-HACベクター上には免疫原性となる可能性があるMC1-TK遺伝子とCAG-GFP遺伝子が搭載されていたので、それらを除去するためにDT40細胞内で相同組換えによりFRTで挟まれたneo遺伝子を置換することで、上記遺伝子を除去することに成功した(DMD-HAC2と呼ぶ)。さらに上記で作製したDMD-HAC2ベクターを筋ジストロフィー由来のmeosngioblast細胞に微小核細胞融合法にて導入し、1クローン獲得された。今後はmdxマウス由来mesoangioblast細胞での実験を筋ジストロフィー患者由来mesoangioblast細胞で再現する予定である。
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[Journal Article] Stem cell-mediated transfer of a human artificial chromosome ameliorates muscular dystrophy2011
Author(s)
Tedesco FS, Hoshiya H, D' Antona G, Gerli MF, Messina G, Antonini S, Tonlorenzi R, Benedetti S, Berghella L, Torrente Y, Kazuki Y, Bottinelli R, Oshimura M, Cossu G.
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Journal Title
Sci Transl Med
Volume: Volume 3, number 96
Pages: 96-78
DOI
Peer Reviewed
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