2009 Fiscal Year Annual Research Report
白血球接着分子DNAM-1(CD226)に関する免疫病理学的研究
Project/Area Number |
21249026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渋谷 彰 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80216027)
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Keywords | CD226 / 腫瘍免疫 / 感染免疫 / 自己免疫 / DNAM-1 |
Research Abstract |
癌、自己免疫病、感染症などにおける免疫応答のメカニズムは充分には明らかとなっておらず、その解明はこれらの難治疾患の克服に必須である。申請者らはNK細胞やT細胞、マクロファージ上などに発現する白血球活性化受容体であるDNAM-1(CD226)とそのリガンドを同定し、新しい研究領域を開拓してきた。最近、申請者らはDNAM-1遺伝子欠損マウスにおいて、1)炎症に伴う腫瘍形成の低下、2)自己免疫病発症の低下、3)細胞内寄生体感染による死亡率の亢進などを見いだし、DNAM-1が腫瘍、自己免疫病、感染症において重要な役割を担っている可能性を示した。本研究では、1)癌、2)自己免疫病、3)感染症の3つを縦糸とし、これらの病態に共通に関与する白血球活性化受容体DNAM-1を横糸として、これらの難治疾患の病態におけるDNAM-1の役割を包括的に解明するとともに、マウスモデルを用いてDNAM-1を分子標的とした治療法を開発する。平成21年度は、DNAM-1遺伝子欠損マウスを用いて、1)新たな腫瘍モデルの確立、2)実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルを作成し、DNAM-1の病態発症における役割の解析、3)トキソプラズマ感染症におけるDNAM-1の病態発症における役割の解析を行った。さらにヒトのトキソプラズマ感染でもっとも問題となる妊婦感染時の流産と胎児感染におけるDNAM-1の役割を、妊娠マウスに感染させることによって解析を行った。それぞれ、まだ解析を継続中である。
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