2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖関連分子を標的にした生活習慣病予防マーカーの開発
Project/Area Number |
21249038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三善 英知 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20322183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝学 英隆 奈良先端科学技術大学院大学, 保健管理センター, 教授 (50314323)
中村 祐 香川大学, 医学部, 教授 (70291440)
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Keywords | 糖鎖 / 生活習慣病 / 予防マーカー / ELISA / データベース / 脂肪肝 / IgG |
Research Abstract |
糖鎖はタンパク質の翻訳後修飾を担う重要な生体分子の1つで、がんや炎症と深く関わりをもつ。種々の疾患に伴う糖鎖の変化は、疾患マーカーとして臨床応用されている。特にがんにおいては、糖鎖の変化は疾患の発症初期に見られることから、疾患の予防マーカーや予測マーカーとしての応用が期待される。本研究では、糖鎖解析技術を用いて、新しい生活習慣病の予防マーカー開発の基礎的検討と血清を用いた大規模studyを行なう。本年度は、いくつかの糖鎖関連分子の測定法の開発、多検体処理可能なものへの改良、および大規模studyのための血清のプールおよび、データベースの作成を行なった。具体的には、これまで研究代表者が検討してきた糖鎖関連分子の中で、すでにキット化されたもの(α2-6ST)、キット化開発中のもの(α-HSGP)、他の方法で解析中のIgGの糖鎖解析、GnT-Vの活性測定など検討した。α2-6STは脂肪肝とNASHで大きな差は認めなかったが、年齢は地域によって差を認め、現在その意義について解析中である。α-HS GPについては、血中における様々な分子動態の解析を行ない、IgGの糖鎖解析とGnT-Vについては、多検体処理できるELISA系の構築を目指した。またアムス城見会の山田医院長のご協力により、数千名の人間ドック受診者の中から、肝機能、耐糖能異常などを認める数百名の患者血清を保管し、データベース化した。共同研究者との協力により、うっ病で香川大学医学部附属病院に入院中した患者の薬物治療前後での血清サンプルを収集し、うつ病の重症度の尺度であるHAM-Dの検査を行なった。また、動脈硬化が客観的に評価できる頸部ドップラーの人間ドックへの導入を行なった。その他、糖鎖の生物学的機能を探る基礎的な研究も行なった。
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Research Products
(26 results)