2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21249043
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 生活習慣病予防センター, 特任教授 (70144483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
大久保 孝義 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (60344652)
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30147524)
門田 文 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (60546068)
高嶋 直敬 滋賀医科大学, 生活習慣病予防センター, 特任助教 (80435883)
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Keywords | 動脈硬化 / 公衆衛生学 / 疫学 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
本研究は、過去の潜在性動脈硬化疫学研究の対象者(40-79歳)の追跡調査を2期6年で実施する予定の研究であり,H23年度は第一期の3年目(最終年度)であった。 滋賀県草津市のランダムサンプル40-79歳対象者約1,300名中、2012年3月までに700名以上の追跡調査が完了し、申請時の計画目標人数(500名)を上回った。応諾率は70%と当初の予想範囲であった。H23年度は約230人の対象者の追跡調査を行った。調査に当たっては死亡状況や動脈硬化関連疾患の発症の把握に努め、今後の予後追跡調査の精度を高める目的で、住民票、人口動態統計などの閲覧に関する合意を対象者から得るよう努めた。動脈硬化指標として、多検知器CTによる冠動脈石灰化指数、内臓脂肪および皮下脂肪面積測定のための撮影、および頚部エコー検査による頚動脈の内膜中膜肥厚(IMT)とプラークの計測、脈波伝道速度の計測を行った。空腹時採血による血清・血漿の保存、血糖、脂質を含む一般血液学的検査を行った。 その他の目標として挙げた米国の同様の疫学研究(MESA)との比較に関しても、冠動脈石灰化病変の比較可能性を学術誌に報告した。また比較研究申請は米国のMESA運営員会および滋賀医大倫理委員会から了承され、現在具体的な比較研究のためのデータ取得の手続き中である。 本研究の対象集団は一般地域住民の無作為抽出であり、日本人の一般集団代表性を有する点で意義深い。ベースライン調査での冠動脈石灰化およびIMTの年齢階級別の有病率を国際学会(2012年3月)にて発表したが、近年の日本人の潜在性動脈硬化の現状を報告した点が他に類を見ない特徴である。本研究にて追跡調査が完了すれば、日本人の潜在動脈硬化の進展および疾患の発症・死亡をアウトカムとした予後予測因子を検討することが可能となり、今後の日本人の動脈硬化関連疾患予防の上で、公衆衛生学および臨床医学上重要な知見を提供しうると確信している。そのためにも残りの対象者(600人ほど)の追跡を完了することが大変重要である。
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