2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁性化前駆・幹細胞と外磁場装置による血管再生を介した組織再生への戦略的研究
Project/Area Number |
21249079
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 裕司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座教授 (40253075)
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
安達 伸生 広島大学, 病院, 准教授 (30294383)
亀井 直輔 広島大学, 病院, 病院助教 (70444685)
中佐 智幸 広島大学, 病院, 病院助教 (60467769)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
運動器疾患モデルに対する幹・前駆細胞移植と磁気ターゲティングの併用 【実験モデル】 1.ヌードラット骨格筋損傷モデルに対するヒト末梢血CD133陽性細胞移植 2.ヌードラット脊髄損傷モデルに対するヒト末梢血CD133陽性細胞移植 3.ラット難治性骨折モデルに対する磁性化間葉系幹細胞移植 4.ブタ膝蓋骨軟骨欠損モデルに対する磁性化間葉系幹細胞移植 【結果】 1.先行研究の10分の1の細胞数の末梢血CD133陽性細胞をヌードラット骨格筋損傷モデルに注入し、磁気ターゲティングの有無で比較したところ、磁気ターゲティングの併用で骨格筋修復効果が促進され、骨格筋の分化・成熟に関する転写因子の発現上昇を認めた。 2.ヌードラットの胸髄損傷モデルに対して腰椎部のくも膜下腔に末梢血CD133陽性細胞を注入して磁気ターゲティングの有無で比較したところ、磁気ターゲティングによって腰椎部に注入した細胞が損傷部へと誘導されていることがin vivoイメージングで明らかとなり、脊髄機能修復効果も磁気ターゲティングの併用で促進された。 3.ラット難治性骨折モデルの骨折部に磁性化間葉系幹細胞を注入し、磁気ターゲティングの有無で比較したところ、磁気ターゲティングで移植細胞が骨折部に集積するだけでなく長期的な移植細胞の生存も促進されることが明らかとなり、磁気ターゲティングの併用群にのみ骨癒合傾向を認めた。 4.ブタ膝蓋骨軟骨欠損モデルに対して磁性化間葉系幹細胞を膝関節内に注入し、磁気ターゲティングの有無で比較したところ、磁気ターゲティングの併用群で組織学的な軟骨修復の促進とともに超音波による検討で軟骨の硬度や表面の滑らかさもより正常に近づいていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨、軟骨、骨格筋、脊髄などの様々な運動器疾患モデルに対するヒト血管内皮前駆細胞・間葉系幹細胞移植と外磁場による細胞デリバリーシステムの併用についての再生効果の検証はほぼ終了しており、計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は移植細胞由来のmiRNAを介した組織再生促進機序の解明に焦点を当てて、研究を遂行していく予定である。すでに培養細胞を用いた予備実験のデータを蓄積中であり、ヒト血管内皮前駆細胞・間葉系幹細胞による血管新生促進や組織再生促進に関与するmiRNAを洗い出しているところである。このデータを元に、骨、軟骨、骨格筋、脊髄などの様々な運動器疾患モデルへの応用を行っていく予定である。
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