Research Abstract |
基礎的検討 1.ニコチン性アセチルコリン受容体刺激が、TNFαを介したprotease-activated receptors (PARs, PAR1, PAR2, PAR3, PAR4)発現を制御して凝固線溶活性化によるDIC発症を抑制すること、その結果、多臓器不全(multiple organ dysfunction syndrome, MODS)への進展を予防し敗血症症例の予後を改善すると言う仮説を検討した。LPS誘発ラット敗血症モデルで選択的ニコチン性アセチルコリン受容体刺激薬JN403(NOVARTIS)と同受容体拮抗薬mecamylamineを使用した。 2.標的臓器を肝臓として対照群、LPS, LPS+JN403, LPS+JN403+mecamylamineの4群を設定してTNFα,VEGF, PAI-1産生と発現を血清と肝臓で測定した。予備実験で設定したLPS(15mg/kg)、刺激薬(3.0mg/kg)、拮抗薬(2.0mg/kg)を使用した。上記4群での血清発現はTNFα(26.4,623.7,842.8,1343.8)、肝臓発現TNFα(2.7,3.8,4.6,7.2),VEGF(2.2,3.2,3.6,3.5),PAI-1(0.03,1.25,1.23,1.27)であった。刺激薬JN403の用量調節の必要性を示唆する結果と評価した。 臨床的検討 生体侵襲として敗血症、外傷、心停止蘇生を選択し、生体反応としてのDIC/MODS発症の病態生理を血管新生因子(VEGF, Angiopoietin, Tie2), elastase, MIF, TAFI等で検討した。その結果これらの因子とDIC/MODSの関連が明確になり、その内容を国際学会で発表し、英文誌上に原著論文として公表した。
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