2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21249089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 弘 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (70304813)
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (40291520)
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Keywords | 開口分泌 / カルシウム / イノシトールリン脂質 / PHドメイン / SNARE / リン酸化 / C2ドメイン / SNAP-25 |
Research Abstract |
PRIP(phospholipase C-related, but catalytically inactive protein)が開口分泌の調節に如何に関わっているかを解明する事を目的として実験研究を継続し以下の結果を得た。(1)PC12細胞からの[^3H]ノルアドレナリン(NA)放出をモデルとして開口分泌をアッセイする実験系を用いた。PRIPはこの過程を強く抑制したが、PHドメインに変異を導入して膜リン脂質に結合しないPRIPでも、相当程度の抑制が観察された。(2)そこで、C2ドメインがSNARE分子群のなかのsyntaxinやSNAP-25と直接に結合し、SNARE複合体の形成を抑制することを見いだした。(3)加えて、単離したC2ドメインやC2ドメインを欠くPRIPをPC12細胞に導入するなどの実験と[^3H]NA放出を組み合わせて、PRIP-C2ドメインが開口分泌を抑制すること、そしてこの抑制はSNARE複合体の形成を阻害するためであることを解明した。(4)A-キナーゼの活性化によって開口分泌は亢進する。この理由の一端はSNAP-25のリン酸化によるが、PRIPが存在するとA-キナーゼによる開口分泌の亢進は一過性であった。一方、PRIPが存在しない細胞では持続した亢進が認められた。このことはPRIPがSNAP-25の脱リン酸化に関わる事を示唆した。そこで、PRIPと脱リン酸化酵素PP1ならびにPP2Aとの結合に着目して、SNAP-25の脱リン酸化には主にPP1が作用する事、SNAP-25の想定されるリン酸化残基の1つ1つについて変異実験を行い、138番目のスレオニンか187番目のセリンのリン酸化が最も関与するであろうことを解明した。(5)C-キナーゼでも同様の活性化が起こり、同様の脱リン酸化をPRIPは促進する事を見いだした。
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