2011 Fiscal Year Annual Research Report
MIコンセプトに基づいたレーザー歯科治療の新たな展開
Project/Area Number |
21249091
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
千田 彰 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80097584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 孝二 東京医科歯科大学, 医歯学教育システム研究センター, 教授 (70167998)
横瀬 敏志 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90245803)
吉嶺 嘉人 九州大学, 歯学研究科, 准教授 (80183705)
西谷 佳浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60325123)
新海 航一 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90147843)
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Keywords | レーザー / MI / 予防 / レジン接着 / 骨再生 |
Research Abstract |
1.歯質の脱灰および象牙質知覚過敏の抑制効果獲得 (1)象牙質への吸収が良好なCO_2レーザー(λ:9.3μm)を象牙質に照射した際の効果について検討した。その結果、λ:9.3μmはλ:10.6μmに比し硝子様構造物・熔融象・象牙細管の閉鎖が広範囲に認め、より合成HAPに近い結晶構造を認めていた。 (2)CO_2レーザー照射後のフッ化物塗布が歯根面の耐酸性に及ぼす影響についてヒト抜去歯を用いて検討した。今回の実験条件では、レーザー強度あるいはフッ化物濃度の主効果、ならびに両者の相乗効果が認められた(p<0.01)。 (3)大気焼成,CO_2レーザー照射、市販漂白材の使用等の一連のPHPS-シリカ転化方法を考案し、転化効率を評価した結果、転化には供与総エネルギーの他,H_2O_2内で発生したラジカルが活性種として大きく影響していることが推測された。 (4)象牙細管が開口した象牙質表面にEr:YAGレーザーを照射する場合、知覚過敏抑制剤(シュウ酸製剤)との併用によって細管の封鎖効果が増強される可能性が走査型電子顕微鏡およびレーザー顕微鏡を用いた観察で明らかになった。 2.低侵襲の象牙質切削方法開発とレジン接着性向上のための基礎研究 (1)ArFエキシマレーザー処理後の象牙質とレジンの接着強さは、現行のセルフエッチングシステムと同等となった。TEM観察より、ハイブリッドレイヤーとは異なる接着機構であることが観察された。 (2)ErYAGレーザー照射後に,ボンディングレジンでコーティングしだ象牙質を水中浸漬した場合のコラーゲン分解酵素活性は,0~6ヶ月の期間では増加し,6~12ヶ月では低下した. 3.炭酸ガスレーザーの光力学的効果が骨再生に及ぼす影響 研究の概要:炭酸ガスレーザーの低エネルギーによる細胞の活性化作用を歯髄組織と骨組織を用いて調べた結果、Wntシグナルの調節因子であるsclerostinの発現に影響することが確認できた。 4.組織深達型レーザーによる効果的麻酔法の確立 組織透過型レーザー照射により歯髄血流量の上昇効果、顎関節部への照射による副作用のないことの確認、炭酸ガスレーザー照射による歯髄線維芽細胞に与える影響について明らかにした。
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