2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21251007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
長野 泰彦 National Museum of Ethnology, 民族文化研究部, 教授 (50142013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 紹人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10171612)
池田 巧 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (90259250)
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Keywords | ギャロン語 / シャンシュン語 / 言語基層 / ポン教 / 歴史言語学 |
Research Abstract |
ギャロン語は、チベット・ビルマ諸語の複数の下位言語グループに亘る文法的特徴を兼ね備えた言語(以下、繋聯言語)で、チベット・ビルマ諸語の歴史を探究する上で不可欠の研究対象である。本計画では、ギャロン語及びギャロン系言語群の語彙と形態統辞論的な文法的特徴(以下、形態統辞法)を網羅的に記述し、より精確なギャロン祖語を再構するとともに、そのデータベースを作成・公開することによって、チベット・ビルマ系諸言語の系統関係と下位分類を精密化することを目的とする。また、これを通じて、歴史言語学の主要な方法である「比較方法」に「接触・基層」の視点を取り入れることがどこまで有効であるかを検証する。日本、中国、オランダ、フランス、米国、豪州の研究者による国際的共同調査研究により、効率的に所期の目的を達成しようとするものである。 上記の目的を達成するため、21年度はギャロン系諸語の網羅的記述に重点を置き、長野・池田・鈴木・津曲・立川・白井及びプリンスをはじめとする中国在住の協力者5名を中国・四川省阿〓蔵族羌族自治州・甘孜蔵族自治州とネパール・カトマンドゥ市に派遣した。この結果、ギャロン語西部方言と北部方言を中心とする13方言及びギャロン系の言語2種につき、1200の基礎語彙と200の統語論研究のための例文を、共通の調査票に基づいて収集できた。また、系統関係の観点からシャンシュン語の解読に向け、武内を英国図書館に、歴史言語学方法論の検討のため、菊澤をオランダのニーメーゲン大学に派遣した。
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