2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21251008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
川本 芳昭 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (20136401)
中橋 孝博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
田中 良之 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50128047)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
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Keywords | 石棺墓 / 北方系青銅器 / 中国西南地区 / 川西高原 / 古人骨 / フローテーション / 歯冠計測 / オオムギ |
Research Abstract |
2010年9月~10月にかけて1ヶ月間四川省雅江県本家地遺跡にて発掘調査を行い、竪穴住居址と石棺墓を発掘した。遺構内の木炭のAMS年代から、これらが青銅器時代のものではなく、紀元後8~10世紀の吐蕃のものであることが判明し、吐蕃考古学における初めての一般住居が発見された。住居址内からはフローテーションによりオオムギが発見されるとともに、動物遺存体から当時の生業が今後復原される可能性がある。また、石棺墓の形態は異なるものの、石棺墓が青銅器時代のみならず、吐蕃時代にも存在することが判明した。これまで未解明であったチベットの歴史時代に関する考古学上の画期的な発見をもたらした。これにより、青銅器時代から歴史時代における社会変化やその発展方向について、考古学的な検討ができる可能性が高い。 2010年7月には、中国社会科学院考古研究所主催の国際学会に参加し、共同研究の成果の一部を発表した。 2010年12月には、四川省文物考古研究所の3名の研究員を九州大学に招聘し、共同研究の成果報告会を行うとともに、今後の共同研究の打ち合わせを行った。 2011年2月末~3月初旬にかけて、四川省文物考古研究院を訪れ、本家地遺跡での発掘品の整理調査を行った。出土した土器・石器の洗浄から実測・写真撮影を行い、基本的な整理を完了した。また、石器の使用痕分析も行った。さらに、出土した古人骨・動物遺存体・植物種子の分析を行い、吐蕃という歴史時代の考古学的な資料を得ることができた。
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Research Products
(8 results)