2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21251008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
川本 芳昭 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (20136401)
中橋 孝博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
田中 良之 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50128047)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
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Keywords | 石棺墓 / 北方青銅器文化 / 川西高原 / C14炭素年代 / 四川省文物考古研究所 / 歯冠計測 / 雲南 / 中国考古学 |
Research Abstract |
5月には日本考古学協会にて本共同研究の成果を報告し、11月には中国宝鶏で開催された英語圏による国際学会において東アジアにおける青銅器文化の特徴を発表した。 9月には、研究代表者・研究分担者ならびに協力研究者が中国成都に赴き、共同研究者である四川省文物考古研究所の研究者とともに、研究成果報告会を実施した。これには、四川の研究者だけではなく、北京大学や社会科学院考古研究所の研究者など中国中央の著名な研究者も参加し、高い学術レベルで研究成果に関する討論が行われ、今回の調査・研究成果が中国考古学においてこれまでにない学術成果であることが示された。特に歯冠計測による親族構造の復元が注目された。 10月には、学生3名と中国側共同研究者2名とともに合計6名で10日間に渡って川西高原青銅器の実測調査を実施した。これにより四川省西部での青銅器あるいは同時期の土器に関する資料収集をかなりまとめることができ、今後の資料公開によって中国考古学界に広く便宜を与えることができるであろう。 2・3月には、遼寧省やモンゴルにおいて青銅器調査を実施し、川西高原青銅器文化の源である北方青銅器文化の実態を一定程度まとめることができた。また、併せて雲南西北部の遺跡・遺物調査を実施し、川西高原青銅器文化が中国西南部へ伝播した後での変容過程を調査することができた。また、この機会を利用して、雲南大学において日中共同調査の成果を講演し、研究成果の公開と日中間での学術交流を推進させた。 また、この1年間を利用して、学術成果報告書を作成するための作図や資料整理を行い、日本側研究者の研究成果に関してはほぼ原稿をまとめることができた。なお、これまで年代の不明であった呷拉宗石棺墓や出土オオムギのC14炭素年代測定を実施することにより、正確な年代を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
川西高原青銅器実測調査を実施し、青銅器集成図をより豊富なものにした。併せて関係の青銅器文化遺物・遺跡調査を実施し、これまでの研究をさらに深めることができた。さらに、研究代表者・研究分担者全員と中国側共同研究者全員で共同研究成果報告会を中国成都で実施し、あわせて15本以上の研究発表と意見交換を行った。研究成果をまとめるに際し有益な機会を得たと同時に、研究成果を日中共同で共有することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、日中共同発掘調査・共同調査の成果をまとめ、報告書を出版することにしたい。その際、川西高原青銅器実測調査の補足調査を早い段階に実施する。発掘調査の報告や研究論文に関しては日本側のものはすでに原稿がほぼ完成しており、これを中国訳する必要がある。また、九州大学においても中国側共同研究者を招聘して、共同研究成果発表会を行う。今後、中国側共同研究者の論文をさらに得ることにより、日中共同研究・共同調査発掘報告書を完成させたい。そして、それらの研究書は、日中それぞれの言語で書籍として刊行することを目指したい。
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Research Products
(9 results)