2009 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジアにおける古環境変動と旧石器編年に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21251010
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松藤 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (90288598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 明 同志社大学, 理工学部, 教授 (30164974)
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
加藤 真二 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 研究員 (20261125)
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Keywords | レスー古土壌編年 / 前期旧石器 / 海洋酸素同位体比編年(MIS) / 日本最古の遺跡 / 国際共同研究 / 火山灰層序編年 / 古環境 / 萬水里遺跡 |
Research Abstract |
平成22年度は、本年度研究実施計画にもとづき中国山西省丁村および柿子灘旧石器遺跡・臨汾市のレスー古土壌調査(5月)、中国河北省泥河湾盆地(許家窰、板井子、西白馬営、籍箕灘遺跡ほか)での地質・地形調査(8月)、厚さ7mのレスー古土壌堆積物中に6枚にのぼる文化層を層位的に出土した韓国忠清北道萬水里遺跡出土石器に対する各種属性データの収集を主とした資料・観察調査を2回(8月・3月)にわたって実施した。萬水里遺跡は韓国の最古の石器を出土し,MISステージ14からステージ4に至る石器群の変遷を解明するとともに、朝鮮半島における前期旧石器編年の基準を確立するうえで重要な意義がある。 国内では、平成21年度に実施した島根県砂原遺跡の調査成果を日本考古学協会総会(5月、国士舘大学)、日本旧石器学会主催シンポジウム(6月、明治大学)、第3回東アジア旧石器学会(10月、韓国公州大学)で発表した。ほかに出雲市・山陰中央新報社共催の「砂原遺跡シンポジウム」で基調報告者・パネリストとして調査成果の市民への還元をおこなった。 また砂原遺跡周辺の地質・地形調査(9月、3月)、島根県雲南市における前期旧石器遺跡探索(9月、3月)、岩手県遠野市鱒沢出土石英資料の調査、東北大学所蔵の早水台遺跡ならびに仙台市教育委員会所蔵の山田上ノ台遺跡出土資料の調査を実施した。 砂原周辺の地形調査では、砂原遺跡の載る海岸段丘の形成時期を把握するうえで、着実な研究の進展を見た。また高度を異にする数面の段丘面を確認し、地形面と段丘被覆物との関係を明らかにしつつある。さらに出雲地方における複数の露頭調査の結果、レスー古土壌編年と火山灰層位学を駆使し10万年前をさかのぼる人類遺跡の可能性を秘めた地点を探索し、重要な成果をおさめつつある。
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Research Products
(9 results)