Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
蔵下 英司 東京大学, 地震研究所, 助教 (00302620)
飯高 隆 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00221747)
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 助教 (90356452)
宮内 崇裕 千葉大学, 理学研究科, 教授 (00212241)
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Research Abstract |
沈み込み帯上面に形成される巨大衝上断層(メガスラスト)の特性を理解することは,海溝型の巨大地震に伴う地震災害を予測する上で極めて重要である.本研究では,関東平野と類似した地質学的環境にあるニュージーランド北島南部で,大規模構造探査を国際共同研究の枠組みの中で実施し,断層面上での反射率に代表される物理特性が地震発生や地殻変動に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている. 2010年4月に,ニュージーランド北島南部の海陸横断測線にて行った人工震源構造調査を実施した.この探査のために,日本から海底地震計20台を送り実験を行い,全台の回収した.得られたデータの処理・解析の第1段階として,ニュージーランド北島より東側の長さ~80kmの測線に設置した海底地震計16台で取得されたデータを用いて,測線下のP波速度構造に関する初動トモグラフィー解析を行った.その結果,沈み込む太平洋プレートの形状や,プレート境界に起源を持つと考えられる低速度物質の分布を把握することができた.この実験では,自然地震記録されており,陸域の観測データと合わせ,観測域周辺の地震活動についても貴重な知見が得られるものと期待される. 変動地形調査として,7000年前以後に離水した海成段丘群の年代と高度解析に基づいて,ヒクランギ沈み込み帯のプレート境界から派生する断層帯の位置と活動履歴について検討を行った.その結果,上盤プレート(オーストラリアプレート)内に発達する5つの沖合の断層が順次活動して地震を起こすたびに海岸隆起をもたらしてきたこと,個々の断層セグメント長は25~60km,Mwは7.0~7.5,1回のイベント時の海岸隆起量は1~4mであること,たびたび津波を伴ったことが明らかとなった.また高解像度の衛星画像に基づいてWairarapa断層の変動地形について解析を行った. 2011年には,Welllington-Wairarapa地域下のプレート沈み込み構造及び断層構造解明のための陸域制御震源地震探査が行われた.日本側から270台の観測機材を持ち込み,約80kmの測線上に合計872点の観測点を50-100m間隔に設置し,12のダイナマイトショットを記録した.得られた記録は良好で,初動は測線全体にわたって確認でき,地殻内及びプレート境界域からの反射波も観測されている.
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