2011 Fiscal Year Annual Research Report
タワー観測のネットワーク化による東南アジアの大気-森林相互作用の解明
Project/Area Number |
21255001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平野 高司 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20208838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 裕昭 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 副研究部門長 (60357051)
前田 高尚 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (10357981)
小杉 緑子 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90293919)
高梨 聡 独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 研究員 (90423011)
田中 延亮 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10323479)
玉井 幸治 独立行政法人森林総合研究所, 水土保全研究室, 室長 (50353769)
熊谷 朝臣 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (50304770)
|
Keywords | フラックス / ガス交換 / 光合成 / 呼吸 / 蒸発散 / フェノロジー / 環境撹乱 / 気候変動 |
Research Abstract |
主に,インドネシア中部カリマンタン州の熱帯泥炭林における観測データの解析を行った。結果の概要は以下の通りである。 1. 環境撹乱(排水,火災)の程度が異なる3つの熱帯泥炭林生態系において渦相関法によって連続観測されたCO2フラックスのデータを解析した。その結果,①未撹乱の泥炭林でも,年間のCO2放出量(生態系呼吸,RE)はCO2吸収量(光合成,GPP)を上回り, CO2ソースとなっていた,②排水や火災による攪乱の程度が強いほど,正味CO2放出量(NEE = RE - GPP)が大きくなった,③CO2放出量は地下水位(水文環境)の影響を強く受け,年間値については地下水位との間に優位な負の相関が得られた,④正味CO2放出量の年次変動は大きく,乾期が長くなるエルニーニョ年に多くのCO2が放出される,などが明らかになった。 2. 火災で植生が焼失した泥炭林跡地において,チャンバー法を用いて泥炭の好気的分解にともなうCO2放出量(RP)の測定を行った。RPは,乾期に上昇し雨期に低下した。RPは,地下水位の低下にともない対数的,あるいは直線的に上昇した。これは主に,地下水位の低下によって土壌の不飽和層が厚くなり,土壌中への酸素の供給量が増加したことによる。一方,地温とRPの関係は複雑で,RPの温度応答(Q10)は地下水位が下がるにつれて小さくなった。地下水位が高いときにはQ10は大きかったが,飽和条件ではRPは大きく低下した。また,深くなるにしたがい地温の変動が小さくなる。したがって,RPに与える地温の影響はそれほど大きくないと考えられる。RPの年積算値は,382~362 gC m-2 y-1となった。これらの年積算値は,渦相関法で測定されたREの21~24%に相当した。モデルによる結果は,年平均地下水位が0.1 m低下するとRPが89 gC m-2上昇することを示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)