2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症者を対象とした情報支援パートナーロボットの開発
Project/Area Number |
21300213
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所・福祉機器開発部, 部長 (40360680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 実 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (20224644)
児島 宏明 産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (80356980)
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Keywords | 福祉・介護用ロボット / 痴呆 / 情報支援 / 音声認識 |
Research Abstract |
本研究では、支援機器の観点からコミュニケーションロボットの機能を見直し、認知症者の障害特性に合わせて、日時の把握、スケジュール管理、行動支援までの一連の活動を支援する情報支援パートナーロボットを開発することを目的とする。 <国リハ・東大> パソコンやスマートフォンなどの外部デバイスからスケジュールを入力し、前年度までに作成したロボットシステムから対話によって情報支援を行うことが可能なソフトウェアを作成した。入力したスケジュール支援情報は、指定時間にメールでロボットシステムに送信され、ロボットシステムにインストールされたメーラーが自動で読み込み、プログラム通りに情報支援を作動する。ソフトウェアは様々なデバイスで使用できるように、汎用的なスケジュールソフトをベースに作成した。若年者数名および施設スタッフ2名の試用評価から、スケジュールの入力、情報支援シナリオの作成、パートナーロボットシステムへの送信を行えることを確認した。 <産総研> パートナーロボットシステムから利用者に呈示する音声情報に対して、利用者が発する広義の相槌を分類し、肯定、否定を含む11種類のカテゴリを定義した。収録した実際の発話データの形態素解析により単語の出現頻度の累計を求めて表示するとともに、これに基づいて音声認識用の統計的言語モデルを構築した。この言語モデルを用いて、利用者の発話を上記のカテゴリに識別する実験を行い、記述文法と比較して認識率の向上と統計的手法の有効性を確認した。これまで認知症を含む高齢者の対話音声認識の事例は少なく、有効性を系統的に実証した点で意義深い。
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