2009 Fiscal Year Annual Research Report
無意識的知覚の運動反応促進効果にかかわる認知・情動処理過程の検討
Project/Area Number |
21300230
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
今中 國泰 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 教授 (90100891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 貴広 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (30433171)
西平 賀昭 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (20156095)
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Keywords | 無意識的知覚 / 運動反応 / 認知 / 情動 / 情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、無意識的知覚が認知や情動の処理過程あるいは運動準備過程にどのようにかかわっているのかを検討することを目的とし、初年度の平成21年度は、以下の手順で情動処理過程の関与に関する実験準備及び予備実験を進めた。 1. 情動刺激の選定にはFlorida大学の情動刺激を用いることとした。既に定められている情動水準指標に従い、情動水準が高い刺激を20種選択してprime刺激とし、情動性の低い刺激をmask刺激として用いることとした。これらの刺激を用い、逆向マスキング条件下の反応時間課題を設定し、prime-mask刺激間隔とprime刺激提示時間を操作することにより、試行を重ねるごとに情動刺激の検出率が50%に収束するように上下法を用いて操作した。このデザインによる予備実験を研究代表者、ポスドク研究員、研究室員等を被験者として実施したところ、情動刺激による主観的情動変化はほとんど起こらず、また反応時間の変化も認められなかった。これらの予備実験の結果から、Florida大学の刺激はおそらく日本人にとっては情動変化をもたらすには至らない刺激であることが考えられ、情動刺激の選定を再検討することとした。 2. 現在、情動刺激として、インターネット上で閲覧可能なゾンビ様の顔写真を情動刺激として選定することとし、それらをモザイク状に組み直した刺激(色、明るさ等は情動刺激と同じ)をコントロール刺激として用いることとした。これらの情動-非情動刺激を用いた選択反応時間課題により、それら情動刺激に対する反応時間の変化を検討する実験を計画し、予備実験を開始するまでに至った。 3. 平成22年度はこれらの結果をふまえ、情動指標として皮膚電気反応を用いて情動刺激の情動変化を把握しながら、その選択反応時間への影響を検討する。その結果により、逆向マスキング実験への進展が可能となる。
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Research Products
(3 results)