2012 Fiscal Year Annual Research Report
人類のレガシー創造を目指す未来型オリンピックのビジョン構築
Project/Area Number |
21300231
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
田原 淳子 国士舘大学, 体育学部, 教授 (70207207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
師岡 文男 上智大学, 文学部, 教授 (00129800)
建石 真公子 法政大学, 法学部, 教授 (20308795)
真田 久 筑波大学, 体育系, 教授 (30154123)
嵯峨 寿 筑波大学, 体育系, 准教授 (30261788)
來田 享子 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (40350946)
三浦 裕 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50142774)
舛本 直文 首都大学東京, 公私立大学の部局等, 教授 (70145663)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | オリンピック / オリンピック教育 / レガシー / 文化 / ミュージアム / 人権 / ドーピング / 市民参加 |
Research Abstract |
1.オリンピック研究およびオリンピック教育に関する国際的な動向を把握するため、ロンドンオリンピック前に開催された大規模国際会議(ICSEMIS、於グラスゴー)およびIOC主催のスポーツ・文化・教育に関する国際会議(於アムステルダム)等に参加し、関係資料を収集した。 2.ロンドンオリンピックの大会期間中に催された各種文化プログラムを視察した。また、ロンドン大会に関連した学校におけるオリンピック教育について、現地の専門家に取材を行って実情を調査し、批判的な見解が得られた。さらに、イギリスにおける各種スポーツ・ミュージアムを視察し、オリンピック関連企画展に関する有用な資料を収集した。 3.IOC文書の歴史的検討から、1)大会の実施は時代と社会の要請にもとづく「オリンピックにふさわしい競技・種目」とは何かを考え、オリンピズム理解を深める契機となり得る、2)ドーピング検査や性別確認検査など医学の援用の時代的限界とその功罪事例から、オリンピックと諸科学の関係史も重要なレガシーとなること、が示唆された。 4.共同宣言「オリンピックと人権」を翻訳紹介し、同テーマに関しては「オリンピックと国際法」「招致と人権」の両面から見ていく必要があることを法的検討から明らかにした。 5.国内におけるオリンピックに関する教育実践については、中学校体育理論に含まれる「文化としてのスポーツの意義」の授業を実施し、スポーツがもつ3側面(自己開発、競技性、豊かな交流)で内容を構成することの妥当性が得られた。また、筑波大学附属学校と連携して、日本人初のIOC委員嘉納治五郎のスポーツと人間教育を中心に授業実践が行われ、成果が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テーマによって進捗状況に若干ばらつきが出ているものの、オリンピックのレガシーを考える上で重要なポイントについては掌握することができている。本研究を通じて新しい知見も多数見いだされていることから、全体として貴重な研究成果が積み上げられているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終的な目標を再確認し、そこを見据えて今年度の研究計画を遂行していく。特に重要性の高い研究課題を見極めて集中的に取り組むことで、研究の柱を立て、そこから多様なテーマを有機的につなぎ合わせて、総合的なビジョンづくりを目指す。
|
Research Products
(28 results)