2009 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法による客観的尺度を用いた新しい筋コンディション評価方法の開発と応用
Project/Area Number |
21300241
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
高橋 英幸 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (00292540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 貴 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (60169753)
本間 俊行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (90392703)
奥脇 透 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (20274871)
大岩 奈青 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (50443247)
俵 紀行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)
|
Keywords | 磁気共鳴映像法 / 磁気共鳴分光法 / 骨格筋 / コンディション / 筋グリコーゲン / 有酸素的能力 / 無酸素的能力 |
Research Abstract |
競技者が最高のパフォーマンスを発揮するためにはコンディショニングが重要であり、特に、運動の源である骨格筋の状態・能力を客観的に評価することは必要不可欠になると考えられる。そこで本年度は、エネルギー基質である筋グリコーゲンと無酸素的能力の視点からのコンディション評価における磁気共鳴分光法(MRS)応用の可能性を検討した。炭素(^<13>C)のMRSを用いた筋グリコーゲン測定能向上に関する研究では、測定条件を詳細に検討することにより、1時間要していた測定時間を約30分にまで短縮できたとともに、^<13>C安定同位体試薬を外部標準とすることにより定量性・再現性の向上をもたらすことができた。これらは、測定精度の向上と実際の競技者等への応用可能性の拡大につながると考えられる。また、3T-MRI装置を用いた筋グリコーゲン測定方法の確立に関しては、装置の導入時期が遅れてしまったため、次年度に繰り越しとなった。筋の無酸素的能力評価方法に関する研究では、健常男性ボランティアを対象として、MR装置内で30%および40%MVCの負荷での等尺性運動を行わせ、大腿四頭筋においてリン(^<31>P)のMRSと近赤外分光法の同時測定を実施した。運動持続時間は30%MVCの運動の方が長く、運動中の筋酸素化レベルおよびクレアチンリン酸(PCr)レベルの低下は40%MVC運動の方が大きかった。さらに、筋細胞内pHとPCrの関係では、40%MVC運動の方がpHの低下が抑制される傾向が認められた。以上の結果は、一定強度以上の等尺性収縮を用いることにより、筋の無酸素的能力を評価できる可能性を示しているが、条件の詳細に関してはさらなる検討が必要となる。
|
Research Products
(2 results)