2011 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法による客観的尺度を用いた新しい筋コンディション評価方法の開発と応用
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21300241
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
高橋 英幸 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 副主任研究員 (00292540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 貴 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 統括研究部長 (60169753)
本間 俊行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, マルチサポート事業, 契約職員 (90392703)
奥脇 透 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 副主任研究員 (20274871)
大岩 奈青 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (50443247)
俵 紀行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)
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Keywords | 磁気共鳴映像法 / 磁気共鳴分光法 / 骨格筋 / コンディショニング / 筋グリコーゲン |
Research Abstract |
3TのMR装置における炭素の磁気共鳴分光法(^<13>C MRS)を用いて、非侵襲的に筋グリコーゲン含有量の評価を可能とするための検討では、検出コイルと測定条件の検討を行うことにより、定量的評価として利用可能な高い信号/ノイズ比のデータを、15分の時間分解能で検出することが可能であることが実証された。これにより、数時間オーダーの筋グリコーゲンの変化だけではなく、1時間以内の素速い変化も捉えることが可能となった。さらに、異なる^<13>Cグリコーゲン濃度の標準溶液を対象とした基礎実験において、定量評価が可能であることが確認できた。^<13>C MRSを用いた応用実験として、高強度の自転車運動や走運動、その後の栄養摂取により、筋グリコーゲンがどのように変化するのかを調べた。約1時間で疲労困態に至る自転車運動では、運動直後に、外側広筋の筋グリコーゲンが運動前の約17%にまで低下した。その後、3,000kcal/日、450g炭水化物/日の食事摂取を行った結果、運動36時間後に運動前値にまで回復し、48時間後には運動前値を上回る超回復現象が認められた。20km走による変化を調べた実験では、運動後の筋グリコーゲンは運動前値の約4騙まで低下したが、運動24時間後には運動前値にまで回復することが観察された。これらの結果は、筋グリコーゲンの視点からの筋コンディションの評価に、本研究で確立させた方法が有用となることを示唆している。 また、リンのMRS(^<13>P MRS)と筋赤外分光法を用いた有酸素的および無酸素的能力を総合的に評価するためのプロトコールに関する基礎的知見を得ることができたとともに、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)を用いた筋機能面からのコンディショニングを応用しやすくするために必要となる画像解析プログラムの設計を行うことができ、平成24年度実施予定の研究・開発に繋がる成果であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
^<13>C MRS用コイルの開発に手間取ったため、筋グリコーゲンの視点からのコンディショニングに関する応用研究で、一部、遅れている部分もあるが、その部分も平成24年度で実施可能であり、全体としておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた基礎的知見の検証や応用のための研究となるため、競技者を含めた被検者の確保が課題となるが、より広く、積極的に被検者を募ることにより、確保は可能であると考えられる。
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