2010 Fiscal Year Annual Research Report
自動車運転時の感情コントロールのための教育プログラム開発
Project/Area Number |
21300246
|
Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 和久 東北工業大学, 共通教育センター, 教授 (00224098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博雄 東北工業大学, ライフデザイン学部, 教授 (90077503)
|
Keywords | 交通安全教育 / 感情 / 自己コントロール |
Research Abstract |
本研究の目的は、自動車運転時の感情コントロールスキルを向上させるための教育プログラムを開発し、その教育効果を検討することである。教育プログラム開発にあたり、平成22年度は以下の研究課題に取り組んだ。 (1)理論的検討 感情コントロール教育プログラムを開発する一方で、その理論的背景を検討した。この教育は一過性の教育効果に留まる可能性があり、効果を持続させるための手法開発と教育原理を構築する必要性があった。持続性をもたらすために、自己観察法を応用する方法を考案。具体的には、日記法を導入し、自己の感情経験の変化や実行した対処法を毎日記録する学習法の原理を検討した。 (2)バス運転手の感情コントロール 様々な職業運転者を対象に教育プログラムを展開することとし、その一環として、バス運転手を対象とした教育開発に取り組むこととした。バスの運転は、定時運行、乗客サービス、事故防止など、様々な心理的圧力を経験する業務である。教材作成のための基礎資料収集を目的として、路線バス運転手31名を対象にインタビュー調査を実施。イライラや焦りなどのストレス感情を経験する場面、運転業務への影響、感情コントロールの工夫の3点に話題を絞り、意見を収集した。その結果、ストレス状況として、車外での事象(他車の割り込みなど)と、車内での事象(乗客サービスなど)に分類されることが見出された。とくに乗客からの不満やクレームは、大きなストレス要因となっており、事故防止の責務を課せられた運転手を板挟みにする葛藤状況を生み出していることが分かった。ストレス状況およびストレス要因に関するこれら情報を、感情コントロール教育で使用する具体的教材の中に盛り込むこととした。
|
Research Products
(2 results)