Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 雅美 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10217185)
澤田 幸展 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (40045539)
加藤 有一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 助教 (90363689)
岡村 尚昌 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教 (00454918)
松村 健太 国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・成人精神保健研究部, 流動研究員 (30510383)
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Research Abstract |
研究1:慢性ストレス評価法としてのアロスタティック負荷(ALI)を,健康な男子学生177名において調査した。独自に開発した指動脈弾力性指数(FEI)は指部動脈全体の弾力性を表すが,指部の細動脈がより多く寄与するFEI高圧成分(FEIH)を新たに考案した。年齢を制御した偏相関ではALIおよびその構成指標である個々の心血管リスク指標やそれらに関連する肥満度(BMI),体脂肪率,LDL・HDLコレステロール,総コレステロール対HDL比,中性脂肪,インスリン,HOMA-IRとの間で有意性を認めた。また,21歳以下と22歳以上の2群に分けて比較すると,心血管リスクマーカーとFEIHの相関関係は22歳以上群でより強いことが判明した。研究2:研究1で考案したFEIHをもとに新たな指細小動脈障害指標として指細小動脈スティフネス指数(FSI)およびFSI高圧成分指数(FSIH)を開発し,31名の眼科患者(男14名,女17名)においてテストした。患者は,糖尿病を有する7名の糖尿病群(DM),糖尿病と高血圧を合併する12名の高血圧合併群(DH),基礎疾患のない12名の統制群(CT)の3群に割り振られた。その結果,DM群およびCT群に比べて有意なFSIの最高値をDH群で認めた。FSIHはCT群に比べ,DMとDHの患者で有意に高かった。研究3:動脈硬化初期のマーカーとしての血管内皮機能を脈波だけの情報から測定する指動脈流量依存性コンプライアンス検査法(FDA法)を新規に開発した。 結論として,FSIとFSIHは指の小動脈と細動脈のスティフネスを別々に表し,動脈硬化研究の有用な測度と思われた。今後は研究1と同一の調査にFDA法測定も追加し,これまでに蓄積したより大きなサンプルを用いることで交絡要因の影響を統計的に調整し,健常青年男子のストレスと血管健康の関係における全体構造を分析する。
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