2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300253
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
和気 秀文 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (50274957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正信 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80181593)
向阪 彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00458051)
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Keywords | 孤束核 / 高血圧 / 有酸素運動 / 神経科学 / 循環調節中枢 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
一般に継続的有酸素運動により高血圧が改善すると言われており、実際に高血圧症やメタボリックシンドロームに対する保健指導の一つとして運動処方が行われている。ところがその機序については未だ不明な点が多い。継続的運動により安静時交感神経活動の減弱と副交感神経活動の賦活化が起こることも知られているので、その機序の一つに循環調節中枢の機能的変化が考えられる。我々は循環調節中枢のうち、圧受容器や骨格筋受容器からの入力を受ける延髄孤束核について着目し、当該核の可塑的変化が運動による降圧効果の一因であると考えた。本研究ではこの仮説を検証するための第一段階として、継続的運動が孤束核遺伝子発現プロファイルなどに影響を及ぼすか否か調べた。 自然発症性高血圧ラットを用い、回転カゴ付ケージ内で4週齢時から12週間自発性走運動を行わせた群(6匹)と対照群(6匹)の2群に分けた。各処置期間終了後に孤束核を摘出し、Rat Genome Oligo DNA Microarray(Agilent)により発現レベルの異なる遺伝子をスクリーニングした。 遺伝子スクリーニングにより、41,000個以上の標的遺伝子のうち、2,349の遺伝子に両群間で発現レベルに有意な差(p<0.05)を認めた。さらにパスウェイ解析により、神経性リガンド-受容体相互作用、カルシウムシグナル伝達およびMAPKシグナル伝達などに係る遺伝子群の変動が認められ、継続的運動習慣は、孤束核遺伝子発現プロファイルを変化させることなどが明らかとなった。これらの発現プロファイルが孤束核神経細胞の可塑的変化と、結果として高血圧の改善に関与しているのかどうか今後詳細に検討していく。
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Research Products
(14 results)