2011 Fiscal Year Annual Research Report
科学的知識・態度と科学の学習におけるメタ認識の関係性についての日独比較研究
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21300299
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40200951)
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Keywords | 国際研究者交流(ドイツ) / ドイツ / 科学教育 / 認知科学 / メタ認知 / 調査研究 / 科学リテラシー / 日独比較 |
Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年度に当たり、研究成果の取りまとめを行なうことを第1の目的と定めた。しかしながら年度後半に予定した最終の調査結果の比較考察会議がメンバーのスケジュールの都合上実施できないことになったため、研究期間の3カ月延長を申請し承認を受けた。 その結果、日独両国で1,122人(日本575人,ドイツ547人)の調査データを得て分析しまとめを行なうことができた。調査は大きく4問からなり、問い1、2では人生の意味に対する考え方を尋ねた。ドイツの女子は今の人生を止めにして別のものに生まれ変わりたいという願望を持つ者が他よりも10%以上高かった。日本はドイツよりも自分の人生には意味があると思う者が多いにもかかわらず、その大半は人生の意味をまだ知らないので見つけようとしているのに対し、ドイツでは人生には意味があるとする者は、人生の大きな夢を実現することと答えている点が特徴的である。 問い3は、科学に対する認知的側面について尋ねた。概念間の関係を文章により説明させ、説明文の質的な分析を行なって、認知的思考力のレベルを評価した結果、日本はドイツと比べてメタ認知的な思考及び十分に科学的な考察と判断できるものの割合は低かった。一方、ドイツは記述の無い割合が高かった。つまり、日本は全員がそこそこできるが、ドイツはよくできる者の割合が多いということであると考えられる。 問い4は自分自身と自分を取り巻く社会との関係について文章による説明を求めた。ここでもドイツの方がよく考えられた記述の割合が多かった。また、自分と身近な社会(家族や学校)との関係に言及していることは日独で共通であった。他方ドイツでは広い社会(国や政党)や、神、宗教に言及している割合が高かった。 以上から、科学の学習成果の評価について、多面的な評価を合わせて考慮すべきことの重要性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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