2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学的アプローチによる聴覚障害者教育プログラムの開発と効果測定の基盤研究
Project/Area Number |
21300301
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
生田目 美紀 Tsukuba University of Technology, 産業技術学部, 教授 (20320624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (70310191)
渡邊 克巳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20373409)
松田 哲也 玉川大学, 脳科学研究所脳科学研究施設, 助教 (30384720)
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Keywords | 聴覚障害者 / 教材開発 / 視線計測 / 言語性能力 / 社会認知機能 / オノマトペ / e-Learning教材 |
Research Abstract |
本研究では、言語処理や視覚認知を詳しく知ることにより、言語性能力や社会認知機能を十分に発達を促すことができるような教育プログラムと具体的な教材の開発を目的としている。 そのため、本年度は、聴覚障害者の社会的共同注意機能の測定に向けた研究の基礎段階として、聴覚障害者の表情認知について眼球運動を用いて調査する予備実験を行った。筑波技術大学で収集された眼球運動のデータは、表情の評定と照らし合わせることによって、現在解析中であり、聴覚障害者の社会的注意機能の一端が示されることが期待できる。2月には注意研究の有力研究者であるDr.Alejandro Llerasを招聘し、研究の進め方に関するアドバイスを受けた。また、より高精度の眼球運動測定システム設計と。倫理審査を含めた実験の組み立てを行い、次年度に向けて有効視野の測定への準備を行った。 言語性能力の開発につながる教材としてオノマトペアニメーションコンテンツを開発し、実際に新潟聾学校の幼稚部・小学部・中学部・高等部の児童生徒に見せ、アンケートを実施した。同時に幼稚部から高等部の教員と研究交流を行い改良点や教材に導入に関する具体的な打合せを行った。また、2月に聴覚障害児の言語教育に関する専門家を招聘し教材開発に関するアドバイスを受けた。 高等教育の現場では、音韻化しやすい文字表示、空間記憶を利用した説明などを考慮したe-Learning教材を導入すると共に、聴覚障害者20名、健聴者20名について、教材利用時の操作ログを収集する実験を実施した。結果は現在解析中であるが、今後、教材の完成度と問題点を明らかにすることが期待できる。 その他、集団的に注意喚起が必要となる教室外での授業を想定し、東京工業大学寺野研究室から視覚情報提示デバイスをお借りし、学外授業実践を行った。
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