2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学的アプローチによる聴覚障害者教育プログラムの開発と効果測定の基盤研究
Project/Area Number |
21300301
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
生田目 美紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (20320624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (70310191)
渡邊 克巳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20373409)
松田 哲也 玉川大学, 脳科学研究所脳科学研究施設, 准教授 (30384720)
永盛 祐介 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教 (70553931)
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Keywords | 聴覚障害者 / 教材開発 / 視線計測 / 言語性能力 / 社会認知機能 / オノマトペ / e-Learning教材 / 社会的注意機能 |
Research Abstract |
本研究では、言語処理や視覚認知を詳しく知ることにより,言語性能力や社会認知機能の発達を十分に促すことができるような教育プログラムと具体的な教材の開発を目的としている。 そのため、聴覚障害者の社会的共同注意機能の測定に向けた研究の基礎段階として、聴覚障害者の表情認知について眼球運動を用いて調査する予備実験を実施し、その結果について、日本感性工学会において学会発表を行い(生田目ら,2010)、国際誌に投稿し採択された(Watanabe et al.,2011)。 聴覚障害者の社会的注意機能の計測実験として、矢印などのシンボリックなキュー、顔や視線、指止し等のジェスチャーによる自動的な注意の移動を調べる実験を行った。その結果、注意の自動的な移動のダイナミクスが健聴者と聴覚障害者で異なることを示唆するような結果を得た。この内容は、平成23年度の電子情報通信学会福祉情報工学研究会で発表予定である。さらにソーシャルコミュニケーションにおいて、他人の意見や考えに左右されるか?ということについて、聴覚障害者を対象に、fMRI実験を行った。具体的な課題は、人の顔、風景絵、幾何学図形の3種類について、予め被験者個人の価値を5段階で評価させ、その後、刺激の下に1~5個の星印を同時に提示させたものを刺激とし、同様にどちらの価値が高いが選択させるというものである。結果の解析とコントロール群に対する実験は現在進行中である。 言語性能力の開発につながる教材としてオノマトペアニメーションコンテンツの成果発表を全日本聾教育研究会において行った。高等教育の現場では、e-Learning教材を導入し、教材利用時の操作ログと視線データを収集する実験を実施し、その結果を日本デザイン学会に投稿し採択された(掲載予定)。 その他、言語性能力や社会認知機能を発達させるために、レビュー機能を持った教材システムを開発中である。
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