2011 Fiscal Year Annual Research Report
小型成層圏大気サンプラーを用いた南極域成層圏における温室効果気体の変動の解明
Project/Area Number |
21310014
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山内 恭 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (00141995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 真司 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (30270424)
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Keywords | 成層圏 / 南極 / 温室効果気体 |
Research Abstract |
本研究は、南極域成層圏での温室効果気体の分布と変動を明らかにするために、2012年度に南極昭和基地において小型成層圏大気サンプラーを用いた成層圏大気の直接採取実験を行うこと、そして採取された大気試料を国内で精密に分析することにより、南極域成層圏における温室効果気体の分布と変動を明らかにすることを目的とする。 本年度は、新たに製作した小型成層圏大気サンプラーの大気圧下での室内実験を継続して実施し、目的とする成層圏高度(20km、25km)に相当する低圧大気試料をより大量に採取する手法の開発を目指した。その結果、寒冷を発生させる高圧ネオンガスの供給方法や供給圧力を工夫し、かつ試料採取バルブの開閉シーケンスを調整することにより、高度25km相当の低圧大気試料採取量をこれまでより50%増加させることに成功した。また、これまでは困難であった高度30km相当(気圧12hPa)の低圧大気試料を約3L(標準状態)採取することに成功した。 さらに、昭和基地実験の予備実験として、本サンプラーをJAMSTEC白鳳丸船上から小型プラスティック気球を用いて飛揚し、赤道上空の19-29kmの成層圏4高度での大気採取を行った。その結果、本サンプラーは成層圏高度において問題なく動作し、高度19-29kmにおいて標準状態で8.2-4.7L(標準状態)の大気試料を採取可能であることを確認した。 昭和基地実験用の新たな搭載コントローラの開発を継続し、先に製作したプロトタイプにさらに改良を加えて、1台のコントローラで複数のサンプラーの制御を行うことを可能にした。室内(大気圧下)での動作試験によって、従前のコントローラよりもさらに安定して動作することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時点での研究実施計画をほぼ達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、昭和基地において成層圏大気採取実験に使用する小型サンプリング装置(小型サンプラー+制御系+テレメータ系)を製作し、十分な地上試験を行う。さらに、サンプリング装置を昭和基地に持ち込んで成層圏大気採取実験を実施する。
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Research Products
(3 results)