2012 Fiscal Year Annual Research Report
小型成層圏大気サンプラーを用いた南極域成層圏における温室効果気体の変動の解明
Project/Area Number |
21310014
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山内 恭 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (00141995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 真司 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (30270424)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 成層圏 / 南極 / 温室効果気体 |
Research Abstract |
本研究は、南極域成層圏での温室効果気体の分布と変動を明らかにするために、2012年度に南極昭和基地において小型成層圏大気サンプラーを用いた成層圏大気の直接採取実験を行うこと、そして採取された大気試料を国内で精密に分析することにより、南極域成層圏における温室効果気体の分布と変動を明らかにすることを目的とする。 本年度は、これまで開発を続けてきた小型成層圏大気サンプラー、搭載コントローラ、テレメータ系を一体化してアルミフレーム製のゴンドラに納め、プラスティック気球で飛揚可能な形態とした。1基のゴンドラに2台のサンプラーを搭載し、1回の気球放球で2高度の成層圏大気が採取可能な仕様とした。1ゴンドラあたりの総重量は、搭載する液体窒素を含めて約40kgとなった。 宇宙科学研究所の低温低圧チャンバーを用いて、完成したサンプラーゴンドラ一式の成層圏環境試験を実施した。その結果、高度約30kmに相当する気圧13hPaでサンプラー制御系が正常に動作することは確認できたが、温度を-50度まで低下させると制御系の動作が不安定になることを確認した。搭載コントローラに保温対策を施すことにより、低温時の問題は解決した。 第54次南極地域観測隊の研究プロジェクトの一環として、2012年12月31日と2013年1月10日の2日間にわたり、満膨張時容積2,000~9,000m3のプラスティック気球を用いて昭和基地から計4基のサンプラーゴンドラを放球した。地上でのテレメータ監視によると全てのサンプラーが正常に動作し、気球切り離し後に昭和基地周辺の海氷上に降下した。ヘリコプターを用いたサンプラーの回収も問題なく終了した。今後、南極成層圏大気試料の温室効果気体および大気主成分の濃度・同位体比の精密分析を行い、それらの経年変化と大気物質輸送過程に関する考察を継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)