2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア環境共同体に向けた環境法・行政・財政に関する国際比較研究
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21310031
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
李 秀ちょる 名城大学, 経済学部, 教授 (10329683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 態妍 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (30316153)
朴 勝俊 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (00351263)
吉田 央 東京農工大学, 農学研究院, 准教授 (40251590)
陳 禮俊 山口大学, 経済学部, 准教授 (00314790)
知足 章宏 立命館大学, 産業社会学部, 講師 (40362222)
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Keywords | 東アジア / 環境法 / 環境財政 / 環境行政 / 環境税 / 東アジア環境共同体 / 国際比較 / 持続可能な発展 |
Research Abstract |
年度の前半では、東アジアの国(主に韓国、中国)で行われた大気及び水質改善のための規制制度の成果と課題について現地調査をもとに分析・考察した。 まず、大気部門においては、日本と韓国の軽油車公害規制について比較し、その類似性と、地方自治や公害訴訟などの文脈により生じた差異を明らかにし、他の国々への適用可能性について示唆を得た。そして韓国の首都圏大気環境改善に関する特別法についてその内容及び特徴を分析したうえ、その間の特別法の主要施行成果と課題を検討し、効果的な制度施行のための今後の方向性について考察した。 水質部門においては、韓国の「水質汚染総量管理制度」に焦点を合わせ、同制度の具体的内容と成果、さらに水質排出権取引制度など、今後の流域管理を効率的に発展させる制度に進化していくための課題を考察した。中国においても都市汚水処理の資金構造上の問題点について明らかにし、資金使用と管理構造の改善、より有効な監督管理手段を通じた処理効果、効率性を保証するシステム造りへ向けた諸課題について検討した。 年度の後半では、福島原発事故以降でも原子力拡大路線を堅持している韓国を訪問し(科研費メンバー6名)、関連行政、研究者、環境NGOの関係者とセミナー、討論会、そしてヒアリングを行った。福島原発事故以降、市民や環境NGOの原発に対する反対は一層強くなったが、原発を有力輸出産業と認識している行政と企業の連繋は堅く、今後も拡大路線を続く方針であったことが分かった。また日本の分析については、福島第1原発事故を受けた東アジアの原子力政策に関する比較研究のベンチマークとして、日本の安全規制や財政措置等の問題点に関する検討を行い、経済性と安全確保のための検討課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の達成度は、順調に進展している。平成24年度の中国、台湾のエネルギーおよび原子力関連行政、法制度に関す得る現地調査が終了した時点で、これまでの研究成果を本としてまとめて出版を行う予定である(現在、昭和堂と出版に向けて交渉中)
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の後半には現地調査に基づき、韓国の原子力行政、財政、法の現状とあり方に関する考察を行った。研究の最終年度である本年度には、年間を通して、日本、中国、台湾についても現地調査を行う予定である。東アジア国のエネルギー政策の中で、特に原子力政策、関連行政と財政を比較分析し、同時域における望ましいエネルギーおよび原子力政策の方向性を示す計画である。
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Research Products
(20 results)