2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ構造における局在プラズモン・格子間結合の動力学的研究
Project/Area Number |
21310065
|
Research Institution | 防衛大学校 |
Principal Investigator |
北島 正弘 防衛大学校, 応用科学群, 教授 (00343830)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸村 浩明 防衛大学校, 電気情報学群, 助教 (40535332)
片山 郁文 横浜国立大学, 学際プロジェクト研究センター, 特任教員(助教) (80432532)
|
Keywords | ナノ粒子配列構造 / 局在光物性 / プラズモン・格子結合 / 超高速ダイナミクス / ホットスポット |
Research Abstract |
1)局在光物性の評価 対流制御手法により一次元金粒子が一次元に並んだ鎖状構造を作成し、これらについての近接場顕微分光データを詳細に解析した結果、局在電場が粒子数4以上の大きさで、エッジ部分に偏って分布することがわかった。FDTD(電磁場時間領域差分法)による電場分布の計算はこのような不均質分布をよく再現した。この結果は、プラズモン間のカップリングにより伝搬された局在プラズモン励起はエッジ部分で伝搬は抑制されることを表す(一種の定在波の発生)。 2)金属ナノ粒子-単層カーボンナノチューブ(SWCNT)結合構造体の作成 スパッタ蒸着されたSWCNT膜の透過電子顕微鏡観察により、数nmサイズの金微粒子がCNT表面に付着されていることがわかった。このような金ナノ構造は蒸着グラファイト表面にも生成されており、CNTのフォノンの振幅増強の主因となることが示唆される。また単-SWCNT一金粒子構造体の作成も行った(北大村越研との協力)。 3)超高速時間分解測定 コヒーレント光学フォノンの測定のための、フェムト秒ポンプ・プローブ時間分解反射率測定を金-CNT系に拡張した。時間分解反射率には、金-グラファイト系と同様、コヒーレントC=C伸縮振動、Dモード振動のみならずGモードの励起も金蒸着により増強されることが確認された。特にG-モードではCNTの周期性に起因する詳細な分岐バンドが同じように増強された。このようなG-モードの振幅増大は金ナノ粒子単層膜上のCNTについても確認された。 また、分子系への応用を目的に金表面の吸着チオール単分子膜に時間分解測定を適用した結果、異なる分子振動モード間のカップリングに対応する位相変調が時間領域で初めて確認された。
|