2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨界事故10年を経た東海村の防災システムと地域再生の総合的研究
Project/Area Number |
21310089
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
熊沢 紀之 茨城大学, 工学部, 准教授 (70137256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 敦司 茨城大学, 人文学部, 教授 (90216028)
原口 弥生 茨城大学, 人文学部, 准教授 (20375356)
乾 康代 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90334002)
井上 拓也 茨城大学, 人文学部, 教授 (70291284)
佐川 泰弘 茨城大学, 人文学部, 教授 (50311585)
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Keywords | 原子力防災 / 住民意識調査 / 除染 / 住宅被害 / 臨界事故 / 福島原発事故 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
研究の当初の計画では、事業者だけでなく地域住民を含めた防災システムがJCO事故後10年を経てどのように変化したのか、地域住民の原子力事業所に対する考えは変化したのか否かの調査を研究の中心に位置付けていた。しかし、調査・研究の最中の2011年3月11日に東日本大震災が起こり、これに続き福島第一原子力発電所の事故が引き起こされた。この事故により、住民の原子力発電に対する考えが大きく変化したことが、2009年、10年、11年に実施した本研究によるアンケート調査で明らかになっている。また、原子力防災教育や原子力安全システムも根本からの見直しが必要と住民からも要請されている。このような状況下で、本研究の研究代表者・分担者は、福島の現場の除染活動や福島からの避難者のサポート、被災地の視察などを通じて、本プロジェクトの研究目的の一つである地域再生を現実に即してより深く受け止め、調査・研究に反映してきた。そのため、本研究の成果は、東海村臨界事故後の調査研究のみでなく、我が国の除染活動の嚆矢とされる飯舘村長泥地区における除染活動報告、福島原発被災者支援活動報告、茨城県における住宅被害の調査も含まれている。また、除染活動を経験し、現場のニーズに応じた新規除染方法も開発し、3件の特許も出願している。 さらに、3年間の調査・研究は、研究発表や論文発表のみでなく、茨城大学と東海村が共同開催している市民公開授業「原子力施設と地域社会」においても発表された。この授業において、学生・市民、行政、研究者が自由に議論できる場を提供することができたと考えている。福島県の地域再生は緒に着いたばかりだと考えるが、我々がJCO臨界事故の経験を通じて受け止めた地域再生の思いを今後の福島の復興にも生かすべく、調査・研究を継続して行きたいと考えている。
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Research Products
(9 results)