2010 Fiscal Year Annual Research Report
試験放鳥したトキの行動追跡に基づく生息適地評価と自然再生計画の検証手続き
Project/Area Number |
21310149
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関島 恒夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10300964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 洋一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20391617)
宮下 直 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (50182019)
三谷 泰浩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20301343)
永田 尚志 新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 准教授 (00202226)
村上 拓彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20332843)
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Keywords | トキ / 地理情報システム / GPS発信器 / 営巣適地モデル / ドジョウ / トキGIS / ハードリリース |
Research Abstract |
(1)これまでに集積した多種多様な情報を地理空間情報として管理・集約するデータベースとそれを支援するGISとWikiを用いたポータルサイト「トキGIS」からなるGIS情報基盤を維持管理し、その効率的な運用を行った。その結果、利用者の情報共有が円滑に行われ、各分野の調査・研究が融合されることで、情報の共有だけでなく、意思決定支援のための専門家らによる「知」の共有が可能な環境が創出された。 (2)GPS発信器を装着したトキの放鳥後の移動パターンを解析したところ、放鳥直後の移動距離は1次放鳥個体で有意に大きくなっていた。放鳥後の移動距離は、季節によって変化するが、放鳥芳法と性に影響を受け、ハードリリースが1次放鳥個体の定着に悪影響を与えていたことが明らかになった。 (3)中国におけるトキの営巣位置情報を活用し、トキの営巣適地モデルを構築した上で、それを佐渡島に外挿した。その結果、トキの潜在的営巣適地は、環境省が鳥獣保護区として設定した小佐渡東部地域より、むしろ国仲平野と小佐渡・大佐渡との山際部、加茂湖周辺、小佐渡中西部が選定され、それらのエリアは、放鳥トキの利用場所とかなり合致していることが明らかとなった (4)佐渡島の国仲平野の水田域において、用水(川・ファームポンド・ダムから取水等)・排水システムと、川と水路の連結・分断状況(魚類の移動可能性)について夏季に調査を行った。その後、4つの水路網に38の調査区を設定してドジョウの生息調査と物理環境調査(局所要因)を行い、さらに、GIS上で景観要因(調査地周辺の水田面積等)を抽出して、国仲平野の水路網におけるドジョウの潜在生息域をGIS上で地図化した。
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