2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 榮治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 英明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90179143)
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
小杉 泰 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50170254)
西尾 哲夫 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (90221473)
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Keywords | アラビア語 / IT技術 / 文語 / 口語 / イスラーム / アイデンティティー / メディア / 言語学 |
Research Abstract |
本研究は、アラブ世界の国民国家形成と近代化過程の中で成立した「現代アラビア語」が、今日の情報革命とマスメディアの展開による言語環境の変化の中で、新たに果たしつつある政治社会的な役割について、とくに言語環境と社会・政治変容との関係に注目しながら、地域研究的な共同研究を行う。方法論的には言語社会学的な研究を中心に据えながらも、イスラーム学や政治学、歴史学、そして言語学やアラブ文学など複数の専門領域の枠組みと手法を動員した学際的な分析と考察を行う体制を取る。第二年度である本年度は、前年度に引き続き(1)「現代アラビア語」の言語社会学的研究、(2)正則アラビア語とイスラーム政治運動、(3)方言アラビア語と社会各層のアイデンティティー、(4)上記の各研究を踏まえた「現代アラビア語」データベースの構築の諸課題に取り組んだ。(1)では「現代アラビア語」の歴史的形成と言語政策、(2)では運動指導者の思想の言説分析、(3)では文語=交互関係の地域格差の検討にそれぞれ重点を置いた活動を行った。(4)では次年度のデータベース構築の準備を行うためにアラビア語データ入力作業を継続的に実施した。研究協力者1名を非アラブ圏におけるアラビア語とイスラームの関係調査のためにインドネシアに派遣し、文献資料調査・専門家からの聞き取り調査を行った。本研究は、現在進行中のアラブ諸国の政変や政治運動における現代アラビア語メディアの役割を考察する上でも、その学術的な貢献が成果として期待できる。
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