2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 榮治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 英明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90179143)
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
小杉 泰 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50170254)
西尾 哲夫 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (90221473)
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Keywords | アラビア語 / IT技術 / 文語 / 口語 / メディア / 言語学 / イスラーム / アイデンティティー |
Research Abstract |
本研究は、アラブ世界の国民国家形成と近代化過程の中で成立した「現代アラビア語」が、今日の情報革命とマスメディアの展開による言語環境の変化の中で、新たに果たしつつある政治社会的な役割について、とくに言語環境と社会・政治変容との関係に注目しながら、地域研究的な共同研究を行ってきた。最終年度である本年度は、これまで取り組んできた(1)「現代アラビア語」の言語社会学的研究、(2)正則アラビア語とイスラーム政治運動、(3)方言アラビア語と社会各層のアイデンティティー、(4)上記の各研究を踏まえた「現代アラビア語基礎研究」データベースの構築の諸課題の研究の取りまとめを行った。とくに2011年1月に始まるエジプトなどアラブ革命の進展という現地情勢の変化に対応して、生きた言語としての現代アラビア語と革命運動との関係性について重点的な研究を行った。そのために研究協力者がエジプトに調査出張し、エジプトから専門家の社会学者を招聴して革命と現代アラビア語に関する国際ワークショップを行った。また昨年度に続き、非アラブ圏におけるアラビア語とイスラームの関係調査のためにシンガポールなどに研究協力者が海外調査を行った。各研究課題に関するアラビア語データ入力の整理を引き続き行い、データベースの内容を拡充した。今回のアラブ革命ではソーシャルメディアに代表される各種新メディアの役割や、口語の政治的重要性の増大が指摘されており、本プロジェクトの課題設定が時代の要請に答えるものであることが証明された。
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