2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘーゲル世界史哲学にオリエント世界像を結ばせた文化接触資料とその世界像の反歴史性
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21320008
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
神山 伸弘 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (60233962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 伊織 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (50290060)
板橋 勇仁 立正大学, 文学部, 准教授 (30350341)
栗原 裕次 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40282785)
田中 智彦 東京医科歯科大学, 教養部, 准教授 (30288039)
早瀬 明 京都外国語短期大学, 英語科, 教授
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Keywords | ヘーゲル / 世界史哲学講義 / オリエント / イエズス会士 / 『アジア研究』 / クロイカー / クロイツァー / 西田幾多郎 |
Research Abstract |
1 ヘーゲルの世界史哲学講義のオリエント論すべてと序論の4分の1を訳出し、抄訳すべき重要資料の多くを選定した。 2 資料源泉では次の成果を得た。ヘーゲルは、中国に関し、朱子編『資治通鑑網目』の翻訳を読み、イエズス会士報告に接しながらも信頼せず、秦や周以前と清の情報を家族原理で直接につなげ、ライプニッツやヴォルフに言及しない。インドに関し、情報の多くを『アジア研究』やデュボア、ブキャナンから取り、ミルやクロイツァー、ミュラー、エッゴ等を参考にする。ペルシアに関し、『アヴェスター』をデュペロンではなくクロイカーの独訳で読み、ヘロドトス『歴史』、クセノポン『キュロスの教育』、ディオドロス『歴史叢書』に依拠する。エジプトに関し、ヘロドトス『歴史』、ディオドロス『神代地誌』、プルタルコス『イシスとオシリス』、パウサニアス『ギリシア案内記』を参照し、ギリシア太陽神=エジプト太陽神というクロイツァー説に賛同し、同時代のエジプト学の進展に注意を払った。 3 研究会は、平成22年5月15日~16日大分文化会館で、6名参加により西洋分野、インド、中国、ペルシアの報告と討議を行った。同年9月12日~14日京都外国語短期大学で、11名参加によりエジプト、インド、ペルシア、中国、日本分野の報告と討議を行い、赤松明彦(京都大学)「1820年代のヘーゲルとインド哲学」公開講演会を開き、京都大学人文科学研究所で中国関係資料を閲覧した。平成23年3月21~22日跡見学園女子大学で、9名参加により日本、中国、インド、ペルシア、エジプト、全体像の報告と討議を行い、井川義次(筑波大学)「朱子学の西伝」公開講演を開いた。 4 哲学的意義としては、日本分野で、ヘーゲルと西田との間にニヒリズムの評価をめぐる相異のあること、西洋分野で、仏教をめぐるオリエンタリズムの形成はヘーゲルによらないことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)