2009 Fiscal Year Annual Research Report
「ドイツ民族主義宗教運動」の生成及び展開とその宗教史的意味に関する総合的研究
Project/Area Number |
21320018
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
久保田 浩 Rikkyo University, 文学部, 准教授 (60434205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 良三 立教大学, 文学部, 教授 (90157149)
深澤 英隆 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30208912)
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Keywords | 宗教学 / 西洋史 / 近代ドイツ / 民族主義宗教 / 宗教史 / 芸術宗教 / 知識人宗教 |
Research Abstract |
18月にボン、ケルン、マンハイム、テュービンゲンの大学図書館、11月にテュービンゲンの大学図書館、コブレンツの連邦文書館、3月にベルリンの芸術家文書館と国立図書館にて、以下の資料の調査・蒐集を実施し、それらの分析に基づき、成果の一部を発表した。これらは次年度以降の更なる資料調査及び「ドイツ民族主義宗教運動」の宗教史的位置づけの為の基礎研究に属するものである。 (1)キリスト教的民族主義運動における「イエス像」に関する資料。特に、造形表現並びに文字表現における「アーリア人イエス」表象を解明した(久保田発表・論文)。(2)反キリスト教的かつ反ナチズム的な「ルーデンドルフ運動」関連資料。特に、運動機関誌に現れている運動の自己理解とその宗教史的意義の解明を試みた(現在久保田が論文を準備中)。(3)「芸術宗教」「美的保守主義」に関わる資料。特に20世紀初頭の芸術・文学運動における典礼的要素の機能について分析した(前田著作・発表)。(4)第一次大戦前後における「美的保守主義」運動の実体に関する資料(現在前田が著作を準備中)。(5)ゲルマン宗教運動の「宗教史」理解に関する資料(深澤論文)。(6)民族主義宗教運動に見られる視覚文化的要素とその宗教的意義に関する資料(現在深澤が分析中)。 25月に第1回研究会として、海外研究協力者のフォルクハルト・クレヒ氏の基調講演を中心とした国際ワークショップを開催し、宗教史研究の方法論と理論的諸問題に関して、日独の研究者が議論を深めた。1月には第2回研究会を開き、辻英史氏(東京大学)の土地改革運動、久保田のルーデンドルフ運動に関する研究報告を中心に議論した。これらを契機として、研究情況の相互確認を行うと共に、次年度に向けて、民族主義宗教運動史記述の為の方法論的諸問題に関する理論的基盤を固めた。
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Research Products
(9 results)