2011 Fiscal Year Annual Research Report
「ドイツ民族主義宗教運動」の生成及び展開とその宗教史的意味に関する総合的研究
Project/Area Number |
21320018
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
久保田 浩 立教大学, 文学部, 准教授 (60434205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 英隆 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30208912)
前田 良三 立教大学, 文学部, 教授 (90157149)
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Keywords | 宗教学 / 西洋史 / 近代ドイツ / 民族主義宗教 / 宗教史 / 芸術宗教 / 知識人宗教 / 文化的保守主義 |
Research Abstract |
本年度は、史料調査を継続しつつ、国際的研究協力環境を構築すると共に、研究成果の一部を公表した。資料整備については、テュービンゲン大学、フライブルク大学等を中心に、未だ体系化されていない関連史料の所在を解明したことで一定の進捗が見られた。研究協力環境の整備については、計画通り11月に、テュービンゲン大学の協力の下、研究代表者、分担者、協力者の一部による国際シンポジウムをテュービンゲン大学にて開催し1宗教と民族主義との連関(特に、社会構造が急激に変動しつつある1920,30年代の文化的環境において宗教(運動)が帯びていた民族主義的な諸特徴)を、ドイツ文化論、宗教学、地域研究、歴史学等の観点から多角的に考究することができた。このシンポジウムでは、本研究課題の枠内で22年度に日本、ドイツ、韓国の研究者によって実施されたパネル(トロント大学での国際宗教学宗教史学会議)を内容的に受け継ぎ、かつより学際的な観点から本研究課題を進展させることを目指したが、その目的を十分に果たせただけでなく、将来的に研究協力環境を拡充していくべきことが参加者によって合意され、24年11月にこの国際シンポジウムの継続版を東京で実施することとなった。このように、本研究課題は、これまでいずれの学問分野においても等閑に付されていたと言っても過言ではない研究領域を、国際的・学際的に取り扱うことを可能にした一契機であったと言える。研究成果については、先述の国際シンポジウムの他、本研究課題第五回、第六回研究会、日本宗教学会学術大会、国内外での国際会議等において、主にキリスト教と民族主義宗教との連関(久保田)、民族主義宗教運動における視覚表現の特徴(深澤)、文化的・美的保守主義と民族主義宗教運動との連関(前田)について、その一部を公表し、肯定的な評価を受け、またそれを通して他分野の研究者との新たな研究協力関係の構築の可能性も開かれた。
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Research Products
(13 results)