2010 Fiscal Year Annual Research Report
院政期の宗教施策に関する寺院文芸研究-鳥羽から後鳥羽院政をめぐる領域複合的解明-
Project/Area Number |
21320045
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
近本 謙介 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (90278870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 泰郎 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60193009)
上島 享 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60285244)
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Keywords | 寺院文芸 / 院政期 / 宗教施策 / 貞慶 / 唱導 / 法会 / 儀礼 / 西行 |
Research Abstract |
院政期の宗教施策に関する寺院文芸の解明を目的として、寺院聖教の調査および古記録等の分析を進めた。研究代表者が中心となって進めている南都系聖教の調査に、研究分担者が中心的役割を担う真福寺や勧修寺の調査を連動させ、複合的・相乗的成果を目指している。本年度から、調査による成果をより把握しやすくかつ研究の便に資する手立てとして、法会データベース構築に向けての作業を開始した。この作業については、日本学術振興会特別研究員猪瀬千尋氏の協力を仰ぐこととした。 南都における寺院文芸の重要な位置を占めた貞慶の唱導に関する研究として、今津文庫所蔵『解脱上人御草』所収「南京北山宿非人等敬白」を中心とする位置づけを行った(『説話文学研究』45号平成22年7月)。また、南都における信仰空間の草創と継承の問題として、鳥羽院造立春日御塔について論じた(阿部泰郎編『中世文学と隣接諸学2中世文学と寺院資料・聖教』平成22年10月竹林舎刊)。隣接諸学との領域複合的解明を目指して、国際研究集会「時代の転換期の宗教と文学-西行と慈円を視座として-」(於タリン大学平成22年9月8日)、「東アジア宗教文献国際研究集会」(於筑波大学平成23年3月9~10日)を開催した。また、国立歴史民俗博物館の共同研究(代表者阿部泰郎)による成果を「東アジアにおける宗教テクストと表象文化」(於イリノイ大学平成22年10月6~7日)で報告、中世宗教文芸をめぐる課題について「2010年中国人民大学・北京大学・筑波大学日本言語文学フォーラム」(於中国人民大学平成22年11月6日)で報告した。
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