2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田口 紀子 京都大学, 文学研究科, 教授 (60201604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 眞 京都大学, 文学研究科, 教授 (10238909)
永盛 克也 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10324716)
アヴォカ エリック 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20612261)
吉川 一義 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (30119870)
杉本 淑彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (30179163)
多賀 茂 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (70236371)
辻川 慶子 白百合女子大学, 文学部, 講師 (80538348)
王寺 賢太 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (90402809)
村上 祐二 京都大学, 文学研究科, 講師 (50636511)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フランス文学 / 歴史叙述 / リアリズム / フィクション |
Research Abstract |
本年は過去3年間の活動の総括の年でもあるので、これまでやや手薄だった詩の分野の研究を補う意味で、フランスのコレージュ・ド・フランス教授アントワーヌ・コンパニョン氏を迎え、5月29日に「ジャーナリズム詩人としてのボードレール」というタイトルで公開講演会を開催した。19世紀の象徴主義を代表する詩人が実は同時代のジャーナリズムに深くコミットしていた事実をめぐり有意義な意見交換を行った。 10月2日にはナンテール・ラ・デファンス大学教授マリ・レカ=ツィオミス氏による公開講演会「サン=シモンの『回想録』と復活としての歴史」を開催し、「回想録」というジャンルがもつ歴史的・文学的側面と、作者にとっての実存的意義について議論を行った。 また3月18日には同じく公開講演会として、増田真氏が「ヴォルテール『風俗試論』における歴史と政治」、辻川慶子氏が「ネルヴァルにおける歴史と宗教:「預言者の時代」から『幻視者たち』へ」についての発表を行った。 これらの講演会と平行して、一昨年11月に開催した日仏国際シンポジウム「フィクションはどのように歴史を作るか:借用・交換・交差」の発表原稿をとりまとめる作業を行った。平成24年度中には間に合わなかったが、25年度末を目途に、フランスの出版社からの刊行を計画している。 4年間の活動を通して、歴史記述がフランス文学作品の創造において果たした意義を、部分的にではあれ明らかすることができた。ナポレオン戦争や第二次世界大戦、ドレフュス事件といった歴史的事件がトポスとして文学生産の契機になったのみならず、作家にとって個人的、公的な過去の事実を記すという行為自体が文学創造につながる経緯を、個別の事例に即して確認することができた。本来の歴史叙述の「物語」的側面については十分に検討することができなかったが、これは残された課題として次の機会に取り組みたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)