2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 省三 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70156818)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 魯迅 / 阿Q / 夏目漱石 / 村上春樹 / 東アジア文学史 / 中国語圏文学 / 現代日本文学 / 現代韓国文学 |
Research Abstract |
本研究では、平成21年度に島村輝・Faye Kleeman・王俊文・張明敏ら日米中台の現代日本文学主専攻の研究協力者とともに漱石→魯迅→太宰・村上という日中間の阿Q伝播を研究し、東大WSで各作家の作品の構造分析と伝播の文化的社会的背景に関する報告を行った。平成22年度には鄧捷・金良守・任明信・関詩珮ら中・韓・台・香港・シンガポールの現代中国文学専攻の研究協力者とともに、魯迅→東アジア文学という戦前期「阿Q」像伝播の様相を研究、ソウルWSで各作家の作品の構造分析と伝播の文化的社会的背景に関する報告を行った。平成23年度には三澤真美恵・鄧捷・金良守・任明信・関詩珮・張明敏ら日・中・韓・香港・台湾の中国語圏映画・文学専攻の連携研究者・研究協力者とともに、魯迅→村上→東アジア文化という戦後期阿Q像の伝播の様相研究し、台北WSで阿Q像を受容した各地の映画・文学作品分析と伝播の文化的社会的背景に関する報告を行った。 最終年度には過去三年の研究に基づく最終報告論文の相互批評を行い研究成果統合を図った。第一に全員を招聘し11月24、25両日、東大山上会館にて国際シンポ「東アジアにおける魯迅阿Q像の系譜」を開催、各分野の研究者や市民のご指教を仰いだ。その成果は日本東アジアの文芸誌学会誌に発表するほか、総合的成果として中国語論文集『在東亜的魯迅「阿Q」像之系譜』を台湾大学台湾文学研究所の協力を得て台北で刊行予定である。 本研究により20世紀東アジア文学史における魯迅阿Q像を中心とする夏目漱石から村上春樹に至るまでの系譜関係を明らかにされた。東アジアでは政治経済の共同化が進むいっぽう摩擦も生じている現在、東アジア文学の系譜関係が明らかにされたことは、将来の東アジア相互理解の促進に一つの指針を示すものといえよう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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