2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 克也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30171135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 久雄 上智大学, 神学部, 教授 (50157682)
李 建志 関西学院大学, 社会学部, 教授 (70329978)
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Keywords | 語り / 東アジア / 在日コリアン / 他者 / 脱在論 / narrative |
Research Abstract |
本研究の最終年度として、前年度、一昨年度に行った研究活動の継続と総括を行った。研究代表者である菅原は、韓国外国語大学で開催された国際研究集会「韓日の相互認識」の日本文学部会において、植民地支配の現実を虚構により無化する語りの可能性について講演を行った。これには、研究連携者の井上健も参加し、朝鮮と満州の語りによる表象の発表を行った。菅原は「語り」をめぐり理論的考察の書を鋭意準備していたが、年度中の刊行に至らなかった。また、研究分担者である李建志は、在日韓国人の経験の語りについて引き続き考察を進め、俳優の身体が「語り」として機能しうることを明らかにしつつある。もう一人の研究分担者である宮本久雄は、充実した成果を挙げ得た。宗教的経験をいかに言葉によって語るかをキリスト教学の枠組みであらためて問い直した研究、他者との関係を他者との共生の可能性を語る語りの面から論じた研究を、2冊の単行本にまとめ刊行した。昨年度の研究に続くもので「脱在論」という独自の領域を切り開くことに成功した。前年度に着手したヘンダーソン文書の研究は、一応の進展をみて、その成果の公表を準備中である。中国、台湾、韓国の研究者とのネットワークの維持、強化も、学会への参加、研究者招聘、研究会の開催を通じて進んだ。3年間の研究活動を通じて、「語り」という視点で様々な文化事象を考察する研究のアプローチについて、ある程度の社会的認知と理解が得られたと考えている。
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[Presentation] 韓国を語る話形2011
Author(s)
菅原克也
Organizer
国際学術研究集会「韓日の相互認識」
Place of Presentation
韓国外国語大学(韓国)(招待講演)
Year and Date
2011-05-14
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