2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国古代戦国期における楚文化の学際的研究-中原との関わりに着目して-
Project/Area Number |
21320068
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大野 圭介 富山大学, 人文学部, 准教授 (30293278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 三佐男 秋田大学, 名誉教授 (70222974)
谷口 洋 奈良女子大学, 研究院・人文科学系, 准教授 (40278437)
田宮 昌子 宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (70316199)
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Keywords | 中国文学 / 楚辞 / 楚文化 / 国際研究者交流 / 中原文化 / 出土資料 / 戦国期 / 先秦 |
Research Abstract |
1,中国屈原学会第14届年会曁楚辞国際学術研討会への参加 会期は2011年6月4日から6日までの3日間(参加受付6月3日)で、会場は福建省東山県馬鑾湾風景区内の金沙大酒店で行なわれた。参加して発表を行なったのは大野・石川・谷口・田宮の他、研究協力者・田島花野、研究協力者・野田雄史、研究協力者・矢田尚子、研究協力者・吉冨透の四名を含め、総勢8名であった。 2.日本中国学会大会への参加 日本中国学会は国内最大の中国学研究者の組織であるが、九州大学で開かれた大会において、2011年10月8日に、石川が谷口の司会のもと、全体を代表して研究発表を行なった。発表は「古代楚王国の国策から見た楚辞文学の発生と展開」と題するもので、春秋期の楚荘王の「問鼎」失敗や呉楚戦争敗北がきっかけとなって楚王に対する訓戒としての「天問」が制作され、これを伝承した巫者である屈氏一族が中心となって「離騒」等『楚辞』諸篇が制作され、漢の天命享受礼讃歌としての郊祀歌へつながったという内容である。本発表の完成に至るまでには上記国際学術研討会における個人発表も大きく寄与しており、当該科研におけるグループ研究の一端を世に問うものといえる。 3.宮崎合宿及び例会の開催 日本中国学会大会が九州で開催されたのに合わせて、九州在住の田宮の主催により宮崎での合宿を行い、研究の最終的なまとめの方針を討議した。この席で上記の石川発表を当グループの基本方針として各人が最終まとめを行い、海外研究協力者からも稿を募って論集を出版する方針が確認された。さらに3月にも東京で例会を行い、各人の研究を持ち寄った上で討議し、最終まとめに向けたすり合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
各メンバーの個人研究の積み重ねにより、『楚辞』諸作品成立の背景について当初予想していなかった独創的かつ画期的な結論を得るに至り、研究成果の最終まとめとしての論文集完成に向けての基本方針も当初予定より早く道筋がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究グループではこれまで、 1.伝世資料から見た楚文化と中原文化 2.出土資料から見た楚文化と中原文化 3.『楚辞』研究の新手法 の3つの角度から各自それぞれに研究を進めてきたが、その成果の総合を行なうために研究論文集の発行を企画している。各自9月を目処に論文を仕上げる予定で、その内容については、各自がこのグループ研究を通して新たに得た知見を持ち寄り、その共通認識を再び各自の研究に反映させるように討議を重ねることによって、論文集としての統一性を出し、論文集の完成までに更なる向上をはかる。また平成22年度に開催した国際シンポジウムで招待講演をお願いした3名の中国人研究者にも寄稿していただき、内容を一層充実させる。
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Research Products
(11 results)