2010 Fiscal Year Annual Research Report
北海道,福岡,鹿児島方言に見られる音調句の言語変化に関する社会言語学的研究
Project/Area Number |
21320076
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
太田 一郎 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (60203783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 照司 北星学園大学, 文学部, 教授 (00285503)
二階堂 整 福岡女子学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
朝日 祥之 大学共同利用機関法人人間文化機構・国立国語研究所, 時空間変異研究系, 准教授 (50392543)
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Keywords | 音調句変異 / 音韻的従属 / ディフレージング / ダウンステップ / 言語変異 / 言語変化 / 社会音声学 / 方言学 |
Research Abstract |
本研究は,現代日本語の方言における音調句の統合のあり方(ディフレージングまたはダウンステップ)に見られる変異に着目し,音調の生成において対照的に異なる北海道,福岡,鹿児島の3つの地域方言を対象に,音調面の言語変化のあり方を言語的要因と社会的要因の両面から社会言語学的に検討することを目的とする。今年度行った研究は,(4月)前年度の結果を受けて調査計画の修正(調査項目,調査方法),修正点検討のための会議,(5-6月)調査,(7-8月)結果の分析とSociolinguistic Symposium 18(英国サウスハンプトン大学)での中間報告のための準備(9月)Sociolinguistic Symposium 18で中間報告,(10-3月)調査計画の修正と調査の続行,言語的要因と社会的要因の検討のための質問項目の修正,統計分析の検討,(12月-2月)今後の調査計画のための会議,である。 今年度のおもな結果としては,(1)音調句統合のあり方の変異を表す概念としては「韻律的従属(prosodic subordination)」が適当であるとこと,(2)音調句統合のあり方を示すピッチの時間上の変動をとらえるために,「ピッチの谷」というに概念を設定したこと,(3)ピッチの谷の深さに「地域」は統計的に有意な要因としてはたらいていないこと,(4)スタイル的要因の関与は低く,そのほかのいくつかの言語内的要因による影響が有意であったこと,などが挙げられる。また,本研究課題に関して海外の研究者との研究協力関係を進めた(具体的な内容等の公表は現時点では控えたい)。 当初計画にあったホームページ作成データベース構築の検討は次年度の課題とすることとした。
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Research Products
(1 results)