2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本語諸方言の文法を総合的に記述する『全国方言文法辞典』の作成とウェブ版の構築
Project/Area Number |
21320086
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
日高 水穂 関西大学, 文学部, 教授 (80292358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60315736)
橋本 礼子 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (00454736)
吉田 雅子 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所, 時空間変異研究系, 奨励研究員 (50399490)
竹田 晃子 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所, 時空間変異研究系, 非常勤研究員 (60423993)
林 良雄 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90211490)
|
Keywords | 方言 |
Research Abstract |
平成23年度の交付申請書には、具体的な研究内容として、以下のものをあげていた。 1.諸方言の活用体系の記述方針の策定と『全国方言文法辞典《活用編》』の作成。 2.条件表現・逆接表現の共通調査の実施と調査結果の報告、辞典項目記述のための検討。 3.格・主題・とりたて・形式名詞・接辞類の共通調査項目の検討。 4.共通調査データのウェブ入力システムの運用・整備。 1に関しては、その研究成果報告として、日本語文法学会第12回大会において、パネルセッション「日本語動詞活用の歴史と地理的変異の総合的理解」を行い、通時的観点による「中央語における動詞活用の歴史」(小柳智一)、通方言的観点による「動詞活用の通方言的記述法」(小西いずみ)、方言対照的観点による「琉球方言の動詞活用と西日本方言との関わり-首里方言を中心に-」(仲原穣)の3つの発表をふまえて、総合的な討論を行った(司会:日高水穂)。これにより、本研究課題が目的に掲げる「地理的変異(方言差)及び歴史的変異(時代差)を考慮に入れた日本語文法の全体像を把握する研究の進展」を世に示すとともに、『全国方言文法辞典《活用編》』の具体的な記述内容をかためるに至った。 2に関しては、担当者による個別の調査活動を続けている。平成23年度の成果として、三井はるみ「九州西北部方言の順接仮定条件形式「ギー」の用法と地理的分布」(『國學院雑誌』112-12)、竹田晃子「山形県米沢市方言・山形市方言における条件表現の研究」(『大正大学研究紀要』97)、舩木礼子「京都市方言の接続助詞・終助詞「シ」の用法」(『論究日本文學』96)がある。 3に関しては、担当者が各自で作業を進めている段階にある。 4のウェブ入力システムはほぼ完成し、運用段階に入った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活用体系の記述に関して、パネルセッションを行うなどの成果を示した。その他の研究内容については、ほぼ計画にそった形で進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
『全国方言文法辞典』は、「活用編」「助詞編(格・とりたて助詞類)」「文末詞編(助動詞・終助詞類)」「接続編」の4部構成とする予定であるが、これまでの取り組みから、本研究期間においては「活用編」の完成に向けて集中的に研究を進めることが妥当であると考える。当初完成を予定していた「接続編」「助詞編」については、本研究期間内ではデータ収集を中心に進め、辞典項目の記述は次期の課題としたい。
|
Research Products
(7 results)