2010 Fiscal Year Annual Research Report
帝国・システム・海域ネットワーク:19世紀以前のアジアにおける広域地域史の再構築
Project/Area Number |
21320115
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
藤田 加代子 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (90454983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃木 至朗 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 教授 (40182183)
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10332850)
山下 範久 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (90333583)
田口 宏二朗 追手門学院大学, 国際教養学部, 准教授 (50362637)
向 正樹 大阪大学, 文学研究科, 招聘研究員 (10551939)
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Keywords | 帝国 / システム / ネットワーク / 海域アジア / グローバル・ヒストリー |
Research Abstract |
今年度は、本科研の研究成果発信の場となる国際ワークショップの開催を目標に、(1)前近代アジアの「帝国」と呼ばれる広域地域秩序(特に中国)の内部構造とその周辺との関係に関する個別研究の深化と、(2)国際ワークショップの準備として計三回の定例研究会を通じたメンバー間での研究成果の共有、を軸に活動を行った。(1)については、メンバー各自が主として夏期に日本・ヨーロッパ(英・蘭)・ペルシャ湾沿岸・アジア(中国ほか)でのフィールド調査・史資料収集を実施した。(2)については、海域アジア史研究会(大阪)と研究会を共催し(2010年4月・7月)、研究分担者の田口と研究協力者のvon Glahn(UCLA)が中華帝国に関する研究を発表した。また2011年1月のpre-conference workshop(別府)では代表者・分担者・協力者全員(藤田・桃木・大橋・田口・中島・山下・鈴木・向・von Glahn)が2月の国際WSの予稿を発表し、研究内容・報告方法などについて意見交換した。 上記の成果をもとに、Nalanda-Sriwijaya Centre,ISEAS,National University of Singaporeと当科研でWorkshop on Empires and Networks:Maritime Asian Experiences 9th to 19th Centuriesを共催した(Singapore、2011年2月)。インド洋交易圏を専攻する研究者に人脈のあるISEASと組んだため、本科研のめざす中国海域とインド洋海域の交渉史と比較という大テーマにふさわしい報告者をそろえ、活発で中身の濃い議論をすることができた。最終年度はこのWSの報告集を海外の学術出版社から出版するための改訂作業を各自がおこない、研究の最終成果を国際会議で報告する予定である。 また本プロジェクトは大学における研究と歴史教育の接続を重視しているため、日本西洋史学会第60回大会(別府大学、2010年5月)において代表者(藤田)が小シンポジウム'Global History under Globalisation : Current Issues in Research and Education'を組織し、外部の専門家を招聘して米・英・日本の多文化・多国籍な高等教育機関における歴史教育と研究の現状と課題の検討をおこなった。このシンポでの報告はまとめて欧文査読誌の特集号として出版するべく準備中である。
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